2006 Fiscal Year Annual Research Report
網羅的なDNAメチル化解析による若年者大腸癌と高齢者大腸癌の遺伝子発現の比較
Project/Area Number |
16591348
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
小西 文雄 自治医科大学, 医学部, 教授 (20142242)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三木 義男 (財)癌研究会, 癌研究所・遺伝子診断研究部, 部長 (10281594)
甲斐 敏弘 自治医科大学, 医学部, 講師 (40260830)
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Keywords | 大腸癌 / 胃癌 / 異常メチル化 / alpha-1-B-adrenergic receptor / MS-RDA法 |
Research Abstract |
前年度までの研究では、2例の若年性大腸癌組織の網羅的DNAメチル化解析を行い計33個のPCR産物を抽出し、そのうちの1個がalpha-1-β-adrenergic receptor(ADRA1B)のexon1とexon2の間のintron領域であることを同定した。残りの32個のPCR産物中、28個のPCR産物はmitochondrial DNAであり、残りの4個はgenome中の存在部位が同定できなかった。大腸癌におけるADRA1Bのpromoter領域のメチル化は、34例中4例に認められたが、これらの症例の背景粘膜にはADRA1Bのpromoter領域のメチル化はみとめられなかった。今年度は、胃癌におけるADRA1Bのpromoter領域のメチル化の頻度とその傾向について分析した。34例の胃癌症例を対象とした。ADRA1Bのpromoter領域のメチル化は、胃癌組織では34例中24例(70.6%)に、また、周囲粘膜では14症例(41.2%)で認められた。さらに、これら34症例の検索において、ADRA1Bのpromoter領域のメチル化は腸上皮化生粘膜では41.6%に、腸上皮化生を有さない粘膜では25%に認められた。ADRA1Bの発現の減少は、検索した胃癌18例中12例に認められ、これら12例中11例で、ADRA1Bのプロモーター領域のメチル化を認めた。これらの結果から、ADRA1Bのpromoter領域のメチル化は、胃癌において高頻度に認められることが明らかとなった。従って、ADRA1Bのpromoter領域のメチル化は胃癌の発生において重要な役割を果たす可能性が考えられた。
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Research Products
(10 results)