2004 Fiscal Year Annual Research Report
新しいリンパ指向性薬剤を用いた見張りリンパ節標的療法による微小転移制御法の開発
Project/Area Number |
16591352
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
北川 雄光 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (20204878)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 博司 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (00146599)
向井 萬起男 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (50101895)
大山 隆史 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90338062)
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Keywords | Sentinel Node / Micrometastasis / MPC polymer / AH130 |
Research Abstract |
本年度は、Wistar系ラット盲腸壁にDonryuラット由来腹水浮遊肝癌細胞株AH130を注入し、SNに微小転移を形成するモデルを作製することに成功した。本モデルではラット盲腸壁に漿膜側より粘膜下層に、見張りリンパ節(Sentinel node,以下SN)同定用色素である1% Isosulfan Blueを注入することにより、腸間膜SNを同定することが可能であることを確認した。また、AH130を色素注入と同様の手法でラット盲腸壁粘膜下層に注入したところ、SN辺縁洞への注入癌細胞の流入を認め、7日後には明らかなリンパ節転移巣が形成された。以上より、本モデルが腸間膜SN転移モデルとして有用であることが判明し、また、注入細胞数を調節することにより、転移形成時期、転移巣の大きさをコントロールできることも判明した。次に、SN同定においてSNへの集積性停滞性が良好であることから色素と併用して用いられている放射性同位元素標式トレーサー粒子とほぼ同じ粒子径を有するMPCポリマーに難水溶性抗癌剤パクリタキセル(PTX)を封入し、可溶化することに成功した。これをラット盲腸壁局所投与した場合の薬物動態を経静脈投与(同量)した場合と比較検討した。PTX封入MPC粘膜下層投与においては、盲腸壁局所に壊死・穿孔など同量のPTXを局所投与した場合に認められる有害事象を認めなかった。PTX封入MPC粘膜下層投与群では、静脈内投与群に比してSN選択的に高濃度のPTX集積が観察された。ポリマーから徐放される抗癌剤によりSNにおける微小転移を制御する手法として現在上記転移モデルによる治療実験を行っている。
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Research Products
(20 results)