2006 Fiscal Year Annual Research Report
大腸癌悪性度評価における分子マーカー発現に関する研究
Project/Area Number |
16591357
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
齋藤 登 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (10225724)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 奈美 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (80307553)
廣澤 知一郎 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (50307550)
山田 暁輝 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (30408562)
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Keywords | 大腸癌 / 細胞接着 / 接着分子 / laminin / 肝転移 / 分子マーカー / 肺転移 / 多変量解析 |
Research Abstract |
大腸癌悪性度評価における分子マーカー発現の研究にて、18年度はlamininの臨床データとの関連を総括的に解析した。大腸癌手術症例205例、非癌症例88例を対象にELISA法にて術前末梢静脈血の血清値を測定した。内訳は109人結腸癌、96名直腸癌(肝転移52例、非肝転移153例)であった。 【結果】 1.コントロール群の血清lamininレベルは258.0±92.0ng/mlであり、大腸癌群では606.3±260.2ng/mlと有意差を認めた(p<0.0001)。 2.陽性率はlaminin89.3%であるのに対し、CEA38.0%、CA19-919.5%であった。 3.異時性を含む肝転移陽性症例668.0±274.7ng/mlは肝転移陰性症例585.2±252.5ng/mlに比べ有意に高値であった(p=0.0472)。 4.生存率においてlaminin値520ng/ml以上の群はIaminin350ng/ml以下の群に比べ有意に不良(p=0.0451)であった。 5.性別、年齢、腫瘍径、肝転移、肺転移、腹膜転移、血清laminin値をもとに単変量解析行なったところ、血清laminin値が肝転移、肺転移、腹膜転移とともに有意な予後因子であった。 続いて行なった多変量解析では血清laminin値は肝転移、肺転移、腹膜転移と同様に独立した予後因子であった。 【考察】 大腸癌と血清lamininとの関係について、手術症例を対象に血清レベル定量行い、肝転移陽性群の1amininは術前より血中に高発現していることが判明した。さらに予後との関係を追うと肝転移、肺転移、腹膜転移と同様に独立した予後因子であることが判明した。遺伝子発現プロファイル解析についても検討着手した。 【結論】 癌の浸潤・転移メカニズム探究において血清laminin発現は大腸癌の独立した予後因子であることが判明した。
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