2005 Fiscal Year Annual Research Report
炎症性腸疾患の消化管上皮におけるTXNIPの発現と粘膜免疫
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16591359
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
高橋 泰夫 日本大学, 医学部, 助手 (30339329)
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Keywords | 炎症性腸疾患 / TXNIP / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
<研究目的> 本研究の目的は、炎症性腸疾患を含む胃・小腸・大腸はどのヒトの消化管組織において、TXNIP(thioredoxin interacting protein、別名VDUP1)の発現情報及び発現細胞を明らかにすることである。 <研究対象と方法> 平成17年度研究実施計画に従い、インフォームド・コンセントのもと、ヒト臨床試料;潰瘍性大腸炎患者から採取された大腸組織と大腸がん患者から採取された非病変部の大腸組織を収集した。得られた試料から連続組織切片を作成して、in site hybridization(ISH)法を用いてTXNIP遺伝子の発現陽性細胞を調べた。また、一部の連続切片組織では、免疫組織化学染色法を施行して、CD3(T細胞マーカー)とCD20(B細胞マーカー)陽性細胞を調べ、TXNIP陽性細胞と比較した。 <研究結果> 非病変大腸粘膜組織と比較して、潰瘍性大腸炎の組織では、TXNIPの発現は粘膜固有層と粘膜下層における浸潤細胞に多く認めた。また、これらの浸潤したTXNIP陽性細胞の多くはCD3陽性であり、CD20は陰性であった。一部の細胞はCD3(陰性)+CD20(陰性)であった。この結果は、正常粘膜組織のリンパ濾胞の染色結果と同様であった。 一方、これまでの我々の研究では、正常大腸上皮細胞のTXNIPの発現は、クリプトの基底部では陰性であり、管腔上部の上皮細胞(特に平坦部)において、強く発現していることを見出していた。今回の解析結果では、潰瘍性大腸炎の上皮組織でも、表層の平坦部の上皮細胞でTXNIPの発現を認めた。しかしながら、潰瘍性大腸炎では、炎症のため上皮細胞の脱落が多く見られ、その脱落の程度が試料間でばらばらであることから、結果として、潰瘍性大腸炎の上皮細胞でのTXNIPの発現は試料間でばらつきを示した。
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