2004 Fiscal Year Annual Research Report
線維芽細胞増殖因子受容体KGFRの遺伝子発現制御による大腸癌分子標的治療の可能性
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16591360
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
渡邉 昌則 日本医科大学, 医学部, 講師 (70267227)
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Keywords | Kerationocyte Growth Factor (KGF) / 大腸癌 / 増殖因子 / short interfering RNA (siRNA) / antisense oligonucleotide |
Research Abstract |
<緒言>線維芽細胞増殖因子FGFグループのうち、FGF-7とFGF-10は50%以上のアミノ酸相同性を示す事から、別名Keratinocyte Growth Factor(KGF)-1,2と呼ばれ、上皮細胞に存在する同一のレセプターFGF receptor2iiib(KGFR)に作用し、上皮細胞の増殖に関与している。我々は、大腸癌組織におけるKGF,KGF-2とそのreceptorであるKGFRの発現および局在を報告してきた。その結果、KGF familyはfibroblast、癌細胞で産生され、paracrine的、autocrine的に大腸癌細胞の増殖に関与している事が明らかになった。<目的>大腸癌の分子生物学的治療の標的の一つとしてKGF familyの可能性を検討する。<材料・方法>培養大腸癌細胞5系統(COLO 205,DLD-1,HCT-15,SW480,WiDr)を材料として、RT-PCR法によりKGF,KGF-2およびKGFRのmRNAの発現を検索する。培養大腸癌細胞にrecombinant KGF,KGF-2を添加し、増殖能への影響を検討する。KGF-2のMorpholino antisense oligoによるmRNAレベルでのKGF-2蛋白発現の抑制、さらにshort interfering RNA(siRNA)により、両者のreceptorであるKGFR遺伝子発現の抑制を行い、培養大腸癌細胞の増殖に与える影響を解析した。<結果>全ての培養大腸癌細胞にKGF-2およびKGFRの発現を確認、recombinant KGF,KGF-2の添加実験により培養大腸癌細胞の増殖促進を確認した。AntisenseとsiRNAを用いた増殖抑制実験では、KGF familyの発現を抑制する事により、培養大腸癌細胞の増殖抑制が確認された。
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Research Products
(1 results)