2005 Fiscal Year Annual Research Report
マウスTGFβレセプターターゲットRNAiによる慢性肝障害の遺伝子治療
Project/Area Number |
16591364
|
Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
田尻 孝 日本医科大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20163462)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋丸 琥捕 日本医科大学, 医学部, 教授 (40142541)
有馬 保生 日本医科大学, 医学部, 講師 (30168025)
吉田 寛 日本医科大学, 医学部, 助教授 (60246999)
横室 茂樹 日本医科大学, 医学部, 講師 (30267223)
水口 義昭 日本医科大学, 大学院・医学研究科, ポストドクター (70409217)
|
Keywords | RNA干渉 / 肝障害 / 遺伝子治療 / TGF-β1 / TGF-β recepter II |
Research Abstract |
平成17年度はあらかじめ提出している実験計画に基き以下の研究実績を得た。 1.マウス生体内への遺伝子導入の確立。 (1)high pressure injection法にてマウス尾静脈より高率にTGFbRIIをターゲットとするRNAi発現vectorを導入した。 (2)免疫組織学的検討により肝細胞にほぼ特異的に取り込まれることを確認した。 2.TGFbRII抑制効果の確認のためのマウス生体内における生化学的、形態学的解析。 (1)Western blotting法、Real-time PCR法を用いて、TGFbRIIをターゲットとするRNAi発現vectorがたんぱく質、mRNAレベルにおいて標的遺伝子の発現を抑制することを確認した(それぞれ70-90%程度)。 3.マウス生体内でのTGFbRII抑制によるTGFβ1シグナル伝達抑制と細胞障害抑制効果の確認。 (1)肝炎惹起物質を用いて細胞内TGFβsignalを活性化させ、シグナル伝達の各ステップ(細胞内シグナル伝達、標的遺伝子の転写)をWestern blotting法、Real-timePCR法を用いて検討したところ、上記の各vectorはシグナル伝達を抑制することが確認された(標的遺伝子の転写は統計学的有意差をもって抑制された。P<0.001) (2)免疫組織学的手法、RIを用いた細胞周期の検討より、上記vectorはTGF-β1シグナルによる細胞障害(apoptosis, cell cycle arrest)を有意に抑制し(P<0.01)、細胞増殖能を維持しえることが確認された。 (3)形態学的観察(H&E)により、上記vectorはTGF-β1シグナルによる細胞の形態変化を抑制し、細胞に有利に働くことが確認された。 4.マウス生体内でのTGFbRII抑制によるTGFβ1シグナル伝達抑制と予後改善の検討。 劇症肝炎モデルマウスを用いて上記のvectorはマウスの予後を改善することを確認した。
|
Research Products
(2 results)