2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16591373
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
海堀 昌樹 関西医科大学, 医学部, 助手 (30333199)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上山 泰男 関西医科大学, 医学部, 教授 (90127069)
權 雅憲 関西医科大学, 医学部, 助教授 (70225605)
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Keywords | Pirfenidone / 肝切除後エンドトキシン血症 / 生体保護効果 |
Research Abstract |
[目的]Tumor necrosis factor (TNF)-alphaやinterleukin-1 (IL-1)などの炎症性サイトカインによる肝病態モデルでのpirfenidoneの生体保護効果、およびその作用機構の解明を試みる。肝病態モデルとして臨床上、肝臓外科手術症例の手術後に合併する頻度が高く、その対策に難渋する病態である肝部分切除後エンドトキシン血症をラットを用いて検討する。 [方法]250g前後のSD系雄性ラットを用い70%肝部分切除術を施行、48時間後に陰茎静脈よりlipopolysaccharide (LPS) 1.5mg/kgを静脈投与する。LPS投与2時間、30分前にpirfenidone 300mg/kgを2回経口投与し、コントロール群は0.5% carboxymethylcellulose 2mlを経口投与する。LPS投与後、生存率、血液中および残肝組織中炎症性サイトカイン濃度などを測定する。 [結果]生存率はpirfenidone投与群が有意に良好であった。LPS投与後1、3時間目において血液中炎症性サイトカイン(TNF-alpha, IL-1 beta, IL-6)及び一酸化窒素の増加がpirfenidone投与群で有意に抑制された。しかし血液中のIL-10,IFN, CINC, MIP-2に対しては有意な差は認められなかった。残肝組織中の炎症性サイトカイン量においても血液中と同様な結果が得られた。Gel shift assayによるNF-kappa B核移行に関しては未施行である。 [結論]Pirfenidoneは肝切除後エンドトキシン血症時のクッパー細胞の活性化を抑制し、持続的な炎症性サイトカインの産生を抑制することにより生体保護効果に作用しているのではないかと考えられた。
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