2005 Fiscal Year Annual Research Report
既存薬剤の持つ抗血管新生作用による非小細胞肺癌術後化学療法のモデル作成
Project/Area Number |
16591382
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松村 輔二 東北大学, 加齢医学研究所, 助教授 (80281997)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 丘 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (10195901)
鈴木 聡 東北大学, 病院・講師 (50344669)
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Keywords | Vasohibin / 非小細胞肺癌 / 血管新生 |
Research Abstract |
血管新生抑制活性を示す新規分子Vasohibinの非小細胞肺癌症例における臨床病理学的検討を44例の肺癌手術例に対して施行した.血漿中濃度をWesternblotting法により半定量的に測定し,摘出した肺癌組織の免疫染色(Vasohibin, VEGF, HIF1α)との関係について検討した. Vasohibinは免疫組織学的にCD31陽性細胞に染まり,リンパ管マーカーのPodoplanin陽性細胞に染色されないことからVasohibinは血管内皮細胞に発現していると考えられた.腫瘍中心部と辺縁部のCD31陽性部位の陽性率とVEGF及びHIF1α検出との関連性を検討したところ,VEGF陰性例では陽性率が平均0.44に対し,陽性率では平均0.61と2群間に有意差を認めた.HIF1αについても同様に陰性症例では陽性率は平均0.37に対し,陽性例では平均0.58と2群間に有意差を認めた.組織におけるVEGFとHIF1αの発現の関係をみるとVEGFとHIF1αは44例中30例で一致していた.次に免疫組織内における1mm^2中の平均血管数と陽性率の関係について検討したが,Vasohibinは血管新生のバイオマーカーとして正の相関だけではなく,血管新生のnegative feedback作用があるため1mm^2中の血管数と陽性率には相関は認められなかった. 血漿中Vasohibin蛋白の測定で37/44(84%)でVasohibinが検出された.また検出の有無と免疫組織における陽性率との検討では,血漿中検出例では切除肺癌組織中の陽性率0,56に対して,非検出例では0.36と両者に有意差が認められた.以上より,血漿中Vasohibinh量は肺癌組織の発現を反映していることが示唆された。 これらの結果から,Vasohibinは非小細胞肺癌の診断マーカーとしての臨床応用が期待される.
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Research Products
(6 results)