2005 Fiscal Year Annual Research Report
Keratinocyte growth factorによる肺、気管支再生の検討
Project/Area Number |
16591402
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
永安 武 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (80284686)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田川 努 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (20363492)
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Keywords | Keratinocyte growth factor / 肺・気管支再生 / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
Keratinocyte growth factor(KGF)を用い、肺及び気管支の再生誘導について検討した。1.肺実質の検討では成熟ラットにおけるKGFと肺胞上皮再生の関連を検討した。肺切除後の残存肺における肺代償性成長における肺胞上皮細胞の増殖形態とKGFの発現動態を検討したところ、術後4日目に細胞増殖を示すPCNA陽性率が切除群で8.49±1.83%、非切除群で1.99±0.61%と有意に増加をみとめ、KGFおよびKGF receptorの染色強度も術後4目目に切除群9.16±4.38%,22.96±13.61%、非切除群0.844±0.33%,0.91±0.30%に比して有意に増加を認め、肺胞上皮細胞を増加と相関が認められた。このことより、肺代償性成長においてKGFが関与していると考えられた。次にKGF遺伝子を投与し、肺実質の細胞増殖形態を検討した。pKGF-FLAGとして作製したKGF発現遺伝子をKGF receptorを発現した成熟ラット肺切除モデルにelectroporationを用いて投与し、コントロール群であるpFLAG遺伝子投与群と比較検討した。PCNA陽性細胞はpKGF-FLAG投与群18.41%,pFLAG投与群11.75%と有意にKGF遺伝子投与群において増殖細胞が多くみられた。このことよりKGFによる肺胞上皮細胞の増殖誘導が証明され、KGFによる肺再生の可能性が示唆された。2.気管支再生では、軟骨細胞にrecombinant KGFを投与し、in vitroでその増殖形態を検討した。KGF投与群は96391cells/well、非投与群は62381cells/wellとKGF投与群で有意に細胞増殖がみられた。また軟骨への分化を示す酸性ムコ多糖体の産生が抑制された。このことより、KGFは軟骨細胞の増殖にも強く関与するものと考えられた。
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