2006 Fiscal Year Annual Research Report
マウスの血液交叉潅流実験 遺伝子導入治療後の不全心に対する心機能評価
Project/Area Number |
16591404
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
吉川 義朗 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (40343420)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 毅嗣 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (50295804)
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Keywords | 心力学的・エネルギー学的評価 / 不全心 / カルパイン阻害剤 / コンダクタンスカテーテル |
Research Abstract |
力学的機能評価のみならず、容量-圧曲線及び心筋酸素消費を計測することにより、マウスにおける左室心筋の力学的エネルギー学的心機能評価を行うことを目的としマウスにおける交叉灌流実験を確立し、マウスにおける正常心での力学的エネルギー的検討を行うことを目標に実験を行なってきた。 本実験系である血液交叉灌流マウス摘出心モデルでは、1匹のマウスから心臓を摘出し、ラットを代謝サポーターとし、その頚動・静脈と摘出心臓をっなぎ血液交叉灌流を行い、摘出心臓の冠循環を行なう。この際、摘出心標本に虚血を体験させないように心拍動下にカニューレを大動脈、右心室に挿入を試みているが、理想的なカニューレが存在せず、工夫しながら手作りのものを使用している。しかし、交叉灌流系が成立するものの、摘出心臓は交叉灌流の際には不全心となっており、実験系確立のためには摘出標本作成のスキルの上達、理想的なカニューレの開発が必要である。 スキル上達を目的に、ラット血液交叉灌流実験を行った。心筋保護液に水溶性カルパイン阻害剤を混合し、再灌流後更にカルパイン阻害剤を冠状動脈注入することにより、その有効性について検討した。(1)心筋保護液を用いても再灌流障害として、機械的仕事は減少し、興奮収縮連関での心筋酸素消費量も減少した。しかし化学的エネルギーの機械的エネルギーへの変換効率は変化しなかった。(2)カルパイン阻害剤を用いることによって虚血再灌流障害不全心の形成が抑制された。心臓手術における再還流障害において、カルパイン阻害剤は有効性をもつ可能性が示唆された。現在実験回数を増やしている。 また、マウスは非常に小さく手技的にはかなり困難で、今のところ実験系確立の目途は立っていない。マウスにおける心機能評価法として、コンダクタンスカテーテルを用いた機能評価を開始し、現在データの蓄積を行っているところである。
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