2004 Fiscal Year Annual Research Report
心臓手術における虚血再灌流障害とPARP阻害薬の心筋保護効果についての研究
Project/Area Number |
16591421
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
西脇 登 近畿大学, 医学部附属病院, 教授 (70319739)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金田 幸三 近畿大学, 医学部附属病院, 講師 (40340830)
米田 正始 京都大学, 医学研究科, 教授 (20303810)
大野 暢久 京都大学, 医学研究科, 助手 (40303838)
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Keywords | 心筋虚血再灌流障害 / PARP阻害薬 / 心筋保護液 / 8-OHdG |
Research Abstract |
<目的>心筋虚血再灌流においてPARP阻害薬を投与する事により、DNA修復に必要なエネルギーコントロールすることが可能である。そこで、開心術時の心筋保護液にPARP阻害薬を加えることにより、より有効な心筋保護法を確立することを目標としている。 <方法>SDラット使用し、その摘出心を、Krebs-Henseleit液をもちいてLangendorff灌流をおこない、従来から使用されていた心筋保護液のSt.Thomas液にて90分間外科的心停止をさせた群と、St.Thomas液にPARP阻害薬を添加し投与した群に分け、再灌流時の、心機能、心筋逸脱酵素を測定した。再灌流後心筋標本を採取し、8-OHdG index及び心筋内NAD^+値を測定し、酸化障害の程度、核ならび細胞の傷害を形態的かつ計量的に評価し、PARP阻害薬を添加した心筋保護液の有効性を検討した。 <結果>PARP阻害薬を添加群において、再灌流後20分のdP/dTは有意に改善しており(p<0.01)、約120%の回復率であった。心筋逸脱酵素(CPK,GOT)の値は有意に低値であった(p<0.01)。心筋内NAD^+値は、有意に高値であった(0.21±0.02 vs 0.80±0.02p<0.01)。さらに酸化ストレス指標である8-HdG indexは有意に低かった(91.2±25.0 vs 36.3±7.2p<0.01)。以上より、PARP阻害薬をSt.Thomas液に加える事により、さらに有効な開心術時の心筋保護法となり得る事を示した。今後、大動物における、人工心肺を実際に用いた実験にて、PARP阻害薬添加心筋保護液の有効性を検討して行く必要があると考えられる。
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Research Products
(1 results)