2004 Fiscal Year Annual Research Report
アンジオテンシン受容体制御による虚血性神経細胞死抑制に関する研究
Project/Area Number |
16591428
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
菅原 卓 秋田大学, 医学部, 講師 (80241660)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木内 博之 秋田大学, 医学部, 助教授 (30241623)
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Keywords | 全脳虚血モデル / アンジオテンシンII / アンジオテンシン受容体 / アポトーシス / スーパーオキシド / 海馬CA1領域 |
Research Abstract |
本計画の第一段階はAngiotensin Receptor Blocker (ARB)の経口投与により全脳虚血後の海馬CA1領域の遅発性神経細胞死が抑制されるかどうかを確かめることであった、われわれは現在までにARBのひとつであるcandesartanの虚血前投与が神経細胞死を抑制することを確認した. 成熟雄性Sprague-Dawleyラットに7日間candesartan(0.1,0.5,1,10mg/kg/day)またはVehicleを経口投与し,前述のSmith法により全脳虚血(5分間,31-35mmHg)を行った.虚血後もcandesartanまたはvehicleの投与継続し,虚血後5日に経心的に潅流固定し,海馬CA1領域の生存神経細胞を評価した.Vehicle群では殆どの神経細胞が細胞質の変形や好酸性変化,核の濃縮像を起こして死滅し,生存する細胞はわずかに5%以下であったが,candesartan0.5-1mg/kg/day投与群では生存細胞数は30%と増加した. 次いでHydroethidine法による全脳虚血1時間後のsuperoxide産生評価(confocal microscopeを用いた蛍光染色法)を行った.Vehicle投与群では海馬CA1錐体細胞の細胞質にsuperoxideの著しい産生がみられたのに対し,ARB投与群では産生が抑制されていた.Ethidiumシグナルを定量すると有意差が検出された(P>0.05). 神経細胞上のARBを阻害することにより虚血後のsuperoxide産生が減少し,それによって虚血性神経障害が軽減される可能性が示唆された.
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