2005 Fiscal Year Annual Research Report
片側顔面痙攣の病態解明に向けた顔面神経核異常興奮状態に関する研究
Project/Area Number |
16591430
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
山上 岩男 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (90241968)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
峯 清一郎 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (70190709)
村井 尚之 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (80241967)
小林 英一 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (10225493)
伊藤 誠朗 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助手 (50376373)
下山 一郎 千葉大学, フロンティアメディカル工学研究開発センター脳機能計測解析研究部門, 教授 (60115483)
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Keywords | 片側顔面痙攣 / 顔面神経核異常興奮 / 動物モデル / 神経血管減圧術 / 誘発筋電図 |
Research Abstract |
顔面神経核の異常興奮状態が片側顔面痙攣発生の前提条件であると考えると、片側顔面痙攣の動物モデルを確立するためには、まず顔面神経核の異常興奮状態を作成する必要がある。われわれは、(1)顔面神経核への慢性刺激電極の留置による慢性的電気刺激、(2)顔面神経核への薬剤注入、というふたつの方法により、ラット顔面神経核における異常興奮状態の作成を試みた。その結果、顔面神経核への慢性電気刺激(4週間、毎日1度、覚醒下にラット顔面神経核への電気刺激を行う)後、電気生理学的にlateral spreadが誘発された。この時、顔面神経核には病理組織学的変化をきたすことはなかった。lateral spreadは顔面神経核の異常興奮状態の指標とされることから、顔面神経核への慢性電気刺激により顔面神経核の異常興奮状態が作成できたと考えられる。片側顔面痙攣発生のメカニズムとして提唱されてきたephaptic theoryでは、顔面神経末梢での血管圧迫部位に発生する異常なシナプスを片側顔面痙攣発生の前提条件と考えているが、本研究により得られた結果は、顔面神経末梢に影響を与えることなく、顔面神経核の異常興奮状態を作成できることを示すものであり、顔面神経核の異常興奮状態が片側顔面痙攣発生の前提条件であることを示唆する。以上の研究結果を論文"Hyperactivity of the facial nucleus produced by chronic electrical stimulation of this nucleus in the rat"としてまとめ、投稿中である。
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Research Products
(1 results)