2005 Fiscal Year Annual Research Report
頸部頚動脈狭窄症に対する外科治療の確立を目指す臨床的基礎研究
Project/Area Number |
16591433
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Research Institution | TOYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
遠藤 俊郎 富山大学, 医学部, 教授 (70125269)
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Keywords | 頸動脈分岐部 / アテローム血栓 / 弾性動脈 / 均整動脈 / 石灰化 / 血小板凝集能 / 内膜切除術 / ステント留置術 |
Research Abstract |
進行性の頸動脈アテローム血栓病変を対象とする研究を遂行し、以下の治験を得ている。 1.手術標本および献体解剖例により摘出した頸動脈アテローム血栓病変の組織所見の検討 以下の事実を明らかにした。 1)頚動脈壁は、総頚動脈が弾性動脈、分岐部が移行帯、内頚動脈末梢が筋性動脈である 2)アテローム血栓は、弾性動脈より移行帯にのみに限局して形成をみる。 3)筋性動脈には一部の例外を除き伸展、形成をみない。 4)厚い板状石灰化変化は、アテローム斑と中外膜境界部に形成される。 以上の所見は、内膜切除術およびステント留置術の選択、手術手技を考える上で重要な情報となる。 2.手術および血管内治療前後の血小板凝集能の測定と臨床的意義 手術前および手術・血管撮影時に採血した血液の全血血小板凝集能の変化を計測、検討し、ヘパリン投与の有無、および濃度・使用量による血小板凝集能との関連を分析した。得られたデータより、術前の抗血小板剤や、内膜切除術、ステント治療の際のヘパリン適正使用法についてプロトコールを作成し、臨床応用中である。 3.ヘパリンcofactor II(HCII)の基礎研究: HCIIは血管平滑筋のトロンビン関連因子の反応性を抑制することを明らかにした。アテローム血栓形成の機序を考える上で、貴重な結果と考えている。 4.頸動脈高度狭窄症例にみられる高次脳機能障害: 診断法、および外科治療の意義につき、データの集積・分析を行い、新たな臨床課題として検討を遂行中である。 以上の研究成果より、今回の研究課題の完結をはかり、頸動脈アテローム血栓病変に対する治療法の実践に役立てて行きたい。
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Research Products
(4 results)