2004 Fiscal Year Annual Research Report
悪性グリオーマにおけるsurvivin遺伝子の機能解析と分子標的治療の確立
Project/Area Number |
16591441
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
杉山 一彦 広島大学, 病院, 講師 (30243554)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗栖 薫 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (70201473)
有田 和徳 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (90212646)
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Keywords | survivin / RNA i / apoptosis |
Research Abstract |
初年度は、まずglioma培養細胞(U251MG、D54MG)においてRNAiによりsurvivinをknock downするための条件設定を行った。SurvivinのRNAiの塩基配列を決定し作成、リポフェクションにて導入を行った。Western blotting法にて、knock down細胞におけるsurvivinの発現をタンパクレベルで評価した。Survivinをknock downした細胞は、ギムザ染色・フローサイトメトリー解析において細胞質の腫大と多核化を示すことが判明した。これらの変化から、survivinのchromosal passenger (Aurora B、INSENPと共同し細胞質分裂に関わる)としての機能が抑制されたため、核の分裂は行われるものの、細胞質が分裂していないことが予想された。従来のapoptosis阻害因子としての働きを見るため、knock down細胞におけるchemosensitivityの変化をMTT法で確認したが、従来の報告のように、survivinの抑制でapoptosisが起こりやすくなるという結果はでなかった。また、knock down細胞はアポトーシス死ではなく分裂死と呼ばれる細胞死の経過をとっていることが推測された。 以上の結果からは、survivinはkock downすること自体で細胞増殖を抑制する作用が強いこと、最終的には分裂死を来すことが判明した。現在、細胞死の機序を明らかにするため、アポトーシス関連タンパク、細胞周期のチェックポイントに関連する酵素等の動態を免疫染色、ウエスタンブロット等で解析を進めている。
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