2005 Fiscal Year Annual Research Report
悪性グリオーマにおけるsurvivin遺伝子の機能解析と分子標的治療の確立
Project/Area Number |
16591441
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
杉山 一彦 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (30243554)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗栖 薫 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (70201473)
有田 和徳 鹿児島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (90212646)
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Keywords | Survivin / 悪性グリオーマ / p53 / 核分裂異常 / 放射線療法 / 化学療法 / ACNU |
Research Abstract |
本年度は、悪性グリオーマ細胞においてSurvivin抑制により、放射線・化学療法(ACNU)への感受性がどのように変化するのか検討した。 Early phaseの効果は、Tripan-blue exclusion test (Day 1〜Day 5)を用いて評価し、late phaseの効果はclonogenic assay (Day 14)を用いて評価した。また、p53 mutant typeであるU251MG細胞株とp53 wild typeであるD54MG細胞株を用いることで、p53の関与についても併せて検討した。 Clonogenic assayでは、両培養細胞株においてコントール群(Survivin siRNA非導入細胞)と比較し、コロニー形成能の低下を認め、Survivin抑制による放射線・化学療法感受性の亢進が確認できた。ところがtrypan-blue exclusion testによるearly phaseの評価では、U251MG細胞では感受性の亢進を確認できたものの、D54MG細胞では、コントロール群と比較しむしろ耐性となった。この違いが生じる機序として、我々はchromosomal passengerとしてのSurvivinと細胞周期の重要な制御因子であるp53が、何らかの相互作用を及ぼしているものと考えた。 前年度、Survivin抑制により核分裂異常が生じることを明らかにしたが、我々はさらにp53機能の有無により、核異常の程度あるいは形態が異なっているのではないか、それが染色体不安定性の違いを生じることにつながり、治療感受性に差がでるのではないかと推測した。そこで蛍光染色法による、より詳細な核形態の評価を行った。やはりU251MG細胞では、核の形態異常、多核化の程度が著しく、p53の機能不全が染色体の不安定性をより助長するものと推測された。今後、さらに動物実験による検討を進める予定である。
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Research Products
(5 results)