2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16591449
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
吉井 與志彦 琉球大学, 医学部, 教授 (50110507)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 厚志 琉球大学, 医学部附属病院, 講師 (40305199)
土田 幸広 琉球大学, 医学部, 助手 (90363663)
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Keywords | ハブ毒 / OHAP-1 / 悪性神経膠腫 / p53 / カフェイン |
Research Abstract |
【目的】昨年度はハブ毒から抽出されたハブ毒素OHAP-1の悪性神経膠腫細胞株に対する増殖抑制効果が、OHAP-1の濃度依存性に高まることを示した。また、p53野生株、p53変異株に対する効果も見てみたが、OHAP-1はp53変異株に対してもp53野生株に対するのと同様の増殖抑制効果を示すことが分かった。今年度は、放射線の殺細胞効果を高めることが分かっているカフェインを用い、低儂度でのOHAP-1の増殖抑制効果がカフェインにより高められるかとうかを検討した。また、この効果がp53の変異の有無により影響を受けるかどうかも検討した。 【対象及び方法】対象とした悪性神経膠腫細胞株は、p53野生株のA172,U87、p53変異株のU251,T98Gで、これらを96穴のマイクロプレートに5000個/穴ずつ播き、24時間培養後OHAP-1を2.5μgあるいは5μg加えた。さらにカフェインを2mMあるいは5mM加え、24,48,72時間後にMTT assay法にで増殖抑制効果を検討した。 【結果】すべての細胞株においてOHAP-1単独投与よりもカフェインを加えたもので増殖抑制効果が強く認められた。この傾向は特にT98Gにおいて顕著にみられた。その増殖抑制効果はOHAP-1単独投与に比べ約50%の増加が認められた。 【考察】カフェインの増殖抑制効果における相乗作用に関しては放射線生物学でよく研究されている。その機序として、放射線照射により生したDNA損傷修復時に重要な役割を果たす遺伝子ATMの働きをカフェインが阻害することにより、十分なDNA修復が行われず、アポトーシスが誘導され細胞増殖抑制が増強されると考えられている。OHAP-1投与時のカフェインの細胞増殖抑制効果の増強メカニズムとして同様の機序が働いているかどうかは不明であるが、今後は細胞周期解析等を行い本メカニズムについて研究を進めていく。
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