2005 Fiscal Year Annual Research Report
脳局所エネルギー代謝からみた骨髄間質細胞移植による損傷神経回路治療法の開発
Project/Area Number |
16591459
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Research Institution | JUNTENDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
森 健太郎 順天堂大学, 医学部, 助教授 (30200364)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中尾 保秋 順天堂大学, 医学部, 講師 (50271276)
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Keywords | 骨髄間質細胞 / 移植 / 神経回路 / 脳局所グルコース代謝率 / 凍結病変 |
Research Abstract |
骨髄間質細胞(bone marrow stromal cell : MSC)は実験的脳梗塞モデルなどに投与され神経学的回復が見られたとの報告があり細胞治療の臨床応用が期待される細胞である。我々はこのMSCを損傷した神経回路に局所移植し、機能的回復を脳エネルギー代謝の面からはじめて定量的に証明するとともにMSCの脳内移動と脳浮腫との関係や成長因子(fibroblastic growth factor : bFGF)との関係についても総合的に検討することにより臨床応用の可能性を検討した。損傷神経回路として三叉神経路(whisker-barrel pathway)を用いた。実験はrat大腿骨より骨髄細胞を採取しstem cell factorおよびnerve growth factorとともに分離培養したMSCをDiOにて蛍光染色し使用した。一側大脳灰白質のbarrel cortexに直径5mmの凍結病変を作成し1時間後にMSC(二十万個)またはPBS (control)を病変部直下に移植した。移植されたMSCは病変周辺に次第に脳浮腫液を利用するように移動するとともに病変周辺部においてbFGF活性亢進を認めた。3週間後に大脳病変とは反対側のひげ(whisker)刺激下に2-DG法にて脳局所グルコース代謝率(LCGU)を算出した。その結果凍結病変周辺部および視床VPM核で低下したLCGUがMSC移植によって有意に回復するとともに病変部体積の有意の縮小効果も認めた。以上より、MSCは、自家骨髄組織より採取可能であり、倫理的問題も少なく近い将来自家MSC移植による損傷神経回路の機能的治療の臨床応用が期待される。この結果については、第64回日本脳神経外科学会総会(平成17年10月)で発表した。
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Research Products
(3 results)