2004 Fiscal Year Annual Research Report
放射線・低酸素増感プロモーター制御下p53遺伝子を併用したグリオーマ重粒子線治療
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16591466
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Research Institution | Chiba Cancer Center (Research Institute) |
Principal Investigator |
越川 信子 千葉県がんセンター, 病理研究部, 主席研究員 (90260249)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹永 啓三 千葉県がんセンター, 化学療法研究部, 主席研究員 (80260256)
野島 久美恵 放射線医学研究所, 宇宙放射線防護プロジェクト, 主席研究員 (90218272)
岩立 康男 千葉大学, 医学部附属病院・脳神経外科, 助手 (70272309)
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Keywords | 重粒子線治療 / グリオーマ / 放射線増感プロモーター / 低酸素増感プロモーター / p53遺伝子 |
Research Abstract |
初年度は、in vitro実験系を用いて、1)重粒子線照射における放射線低酸素増感プロモーターの作用発現の確認、2)本実験系における至適線量の決定、を目標とした。 [実験1]ラットC6 glioma細胞株にE_<9ns-2>/Epo9/CMV放射線増感キメラプロモーター付きEGFP reporter geneを導入し、bulkの状態で高LET-炭素線を照射した後にEGFP発現量の経時的変化をWestern blotting法により評価した。3・5・10Gy相当を照射し、照射12・24・48・72時間後に評価した。結果、5Gy相当の高LET-炭素線照射24時間後にEGFP発現の増加が認められたが、その程度は顕著ではなかった。 [実験2][実験1]の結果を踏まえ、mutant-p53をもつU373 human gliomacelllineにE_<9ns-2>/Epo9/CMV放射線低酸素増感キメラプロモーター付きp53 geneを導入し、bulkの状態で高LET-炭素線5Gy相当を照射した後p53発現量の経時的変化をWestern blotting法により評価した。結果、いずれの評価時期においても明らかなp53蛋白発現増加は認められなかった。 高LET-炭素線照射では少なくとも3・10Gy照射下では発現増加はなく、5Gy照射下でも発現は短期間かつ軽度にとどまった。実際にp53を導入した実験系でも発現は対照群と変わりがなかった。この結果の原因としては1)他に至適な照射・遺伝子導入条件が存在する、2)E_<9ns-2>/Epo9/CMV放射線低酸素増感キメラプロモーターが高LET-炭素線ではよく活性化されない、等が考えられる。次年度はまず照射条件のさらなる検討、必要に応じてE_<9ns-2>/CMV放射線増感キメラプロモーターの改良も試み、in vivo実験系への移行を図りたい。
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