2004 Fiscal Year Annual Research Report
光コヒーレンス断層法による脳微小循環と神経活動の時空間カップリングの解析
Project/Area Number |
16591467
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
関 淳二 国立循環器病センター研究所, 生体工学部, 室長 (20163082)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 泰秀 国立循環器病センター研究所, 生体工学部, 室長 (50250262)
高見沢 計一 国立循環器病センター研究所, 生体工学部, 室員 (10163312)
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Keywords | 光コヒーレンス断層法 / 微小循環 / 神経循環カップリング / 2次元電極 / 機能的充血 / 興奮性シナプス後電位 / 光反射特性 / 膨潤 |
Research Abstract |
脳における神経活動と脳血流量は強く相関しており、神経-循環カップリングとして知られている。本研究では、光コヒーレンス断層法(OCT)を用いてこのカップリングが成立する空間的領域や、時間的関係を明らかにすることを目的とする。OCTは、生体組織に対して、数mmの深さにわたる断層像を10ミクロン程度の空間解像度で観察可能にする手法であり、層構造やコラム構造などサブミリメートルスケールの3次元構造を有する大脳皮質を対象とするのに特に有効な方法と考えられる。 これまで観察されてきた脳賦活に伴うin vivoでのOCT信号変化には、機能的充血による局所脳血液量・血流量の増大の寄与が大きいが、神経組織の光特性の変化が含まれている可能性がある。本年度は、脳切片を用いたin vitro実験を行うことによって血液による影響を除き、神経活動に伴う神経細胞自体に起因するOCT信号変化の有無を探った。幼若ラットの大脳一次体性感覚野から厚さ300ミクロン程度の冠状生切片を切り出し、電気刺激に伴う神経細胞の興奮を2次元電極およびOCTシステムにより同時計測した。電気刺激を多数回繰り返し、興奮性シナプス後電位(fEPSP)が計測された部位におけるOCT信号を連続計測し、これをアンサンブル平均することによって、刺激前後のOCT信号変化を解析した。 その結果、刺激直後1秒以内に主に正の信号変化が現れること、1-3秒後に最大変化が現れることが確かめられた。この変化は組織内の光反射率の増大を表しており、細胞の膨潤や微小血管の反応などがその原因として考えられる。
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Research Products
(3 results)