2005 Fiscal Year Annual Research Report
外来性線維芽細胞における遺伝子発現が腱基質の力学的再構築現象に与える意義の解明
Project/Area Number |
16591468
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
遠山 晴一 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (60301884)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 和則 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20166507)
清水 宏 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00146672)
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Keywords | 腱 / 靭帯 / マトリクス / 再構築 / 線維芽細胞 / コラゲン |
Research Abstract |
1.目的 壊死後の膝蓋腱に浸潤する外来性線維芽細胞のマトリックス代謝における再構築過程を検討するため,rat in situ凍結解凍処理を用い壊死後膝蓋腱におけるcytokineの発現およびcytokineの外来性線維芽細胞におけるcollagen発現に対する効果を検討した. 2.方法 (1)壊死後膝蓋腱におけるcytokineの発現 ・Wistar系ratを用い,右膝蓋腱には凍結解凍処理を左膝蓋腱にはsham手術を行なった. ・術後2,6週の膝蓋腱におけるIL-1beta、PDGF-B,TGF-betaの発現を免疫染色にて検討した. (2)cytokineの外来性線維芽細胞のcollagenの遺伝子発現に対する効果 ・Wistar系ratを用い,凍結解凍処理後6週の膝蓋腱より外来性線維芽細胞を単離・培養した. ・外来性線維芽細胞にIL-1beta、PDGF-B,TGF-betaを投与し、I型およびIII型procollagen mRNAの発現をNorthern blotにて検討した. 3.結果 (1)凍結解凍処理後膝蓋腱における外来性線維芽細胞にIL-1betaの発現亢進が認め、PDGF-B,TGF-betaの発現亢進は認められなかった. (2)TGF-beta投与はI型およびIII型collagen mRNAの発現を亢進させていた。また、TGF-beta投与による発現亢進はI型collagenにおいて顕著であった. 4.考察および結論 靭帯再建術において壊死後膝蓋腱のcollagen fibril径は術後に減少することが明らかとなっている.一方,III型collagenのfibril径はI型に比し小さいことが報告されている.したがって,本研究で認められたTGF-beta投与によるI型collagen優位の発現促進作用は壊死後膝蓋腱の力学劣化の人為的抑止への応用の可能性が示唆された.
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Research Products
(6 results)