2004 Fiscal Year Annual Research Report
サイトカインを用いた造血幹細胞動員による脊髄損傷治療の試み
Project/Area Number |
16591473
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
國府田 正雄 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助手 (50361449)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 正志 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (50281712)
大河 昭彦 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助手 (30312945)
吉永 勝訓 千葉大学, 医学部附属病院, 助教授 (30270870)
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Keywords | 脊髄損傷 / 骨髄幹細胞 / G-CSF |
Research Abstract |
[目的]本研究の目的は成熟マウス脊髄不全損傷モデルにおいて、サイトカイン投与にて増殖し末梢血中に動員されたHSCが損傷脊髄の修復過程に寄与しうる可能性につき明らかにすることである。 [方法]C57BL/6雌マウスに致死量の放射線を照射し、尾静脈より雄GFPトランスジェニックマウスの骨髄細胞を注入し、骨髄キメラマウスを作成した。4週後、全身麻酔下に第8胸椎レベル椎弓切除し、Farooqueら(2001)の方法に準じて20g・5分間の圧迫を加え脊髄不全損傷モデルを作成した。術直後より5日間G-CSF(200μg/kg/day)を投与した(G-CSF投与群)。コントロールとして、溶媒のみを同量・同期間投与した。両群のマウスにつき、行動学的・組織学的評価を行った。行動評価には、FarooqueらのHind Limb Motor Function Score(2001)を用いた。組織学的には骨髄由来細胞であることを示すマーカーとしてGFPを、神経系への分化を評価するための神経系特異的マーカーをそれぞれ免疫染色にて確認した。 [結果]G-CSF投与群ではコントロール群と比較して有意な行動学的回復を認めた。免疫染色の結果、両群間で脊髄損傷部付近のGFP陽性細胞、すなわち骨髄由来細胞の総数には差がなかった。G-CSF投与群では、GFPとoligodendrocyteのマーカーの二重陽性細胞がコントロール群より多かった。 [結論]G-CSFは、マウス脊髄不全損傷の後肢機能回復を促進した。脊髄損傷部において骨髄由来細胞がoligodendrocyteに分化しているのが観察され、G-CSFの機能回復促進メカニズムのひとつであることが示唆された。
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Research Products
(6 results)