2005 Fiscal Year Annual Research Report
ラット脊髄圧挫損傷モデルへのヒト骨髄間質細胞由来シュワン細胞移植の有用性の検討
Project/Area Number |
16591474
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
吉永 勝訓 千葉大学, 医学部附属病院, 助教授 (30270870)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 正志 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (50281712)
大河 昭彦 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助手 (30312945)
出澤 真理 京都大学, 大学院医学研究科, 助教授 (50272323)
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Keywords | ヒト骨髄間質細胞 / ヒト骨髄間質細胞由来Schwann細胞 / 脊髄圧挫損傷 / 空洞面積 / 軸索伸展促進 / 後肢運動機能回復 |
Research Abstract |
【背景】これまでに我々は、ラット骨髄間質細胞より分化誘導したSchwann細胞(BMSC-SCs)の損傷脊髄への移植を試み、軸索伸展と後肢運動機能回復においてその有用性を確認した。そこで本研究では更なる臨床応用を目指し、ラット脊髄圧挫損傷モデルへのヒト骨髄間質細胞由来Schwann細胞(hBMSC-SCs)の移植を試みた。 【方法】Wistarラット、雄9週齢のT9レベルで、NYU impactor(10g・25mm)を用いて脊髄を圧挫損傷し、圧挫後9日で損傷部にMatrigelにhBMSC-SCsを混和したもの(hBMSC-SC群)、MatrigelにhBMSCを混和したもの(hBMSC群)、Matrigelのみ(MG群)を注入移植した。各群で移植後1週毎にBBB locomotor scaleを用いて後肢の運動機能回復を検討し、移植後5週でラットを灌流固定して、移植部組織を空洞面積、移植細胞や神経線維の免疫染色、順行性トレーシングにて比較検討した。また、電子顕微鏡により、移植hBMSC-SCsを評価した。 【結果・考察】後肢の運動機能はMG群に比較し、hBMSC群とhBMSC-SC群で細胞移植後4週より有意に回復し、どの群においても、順行性トレーシングにおいては損傷部を越える線維は認めなかったが、免疫染色ではMG群とhBMSC群に比較し、hBMSC-SCs群で移植部に再生神経線維が特に有意に多くみられ、また既存の線維も有意に残存していたことから、hBMSC-SCsは損傷脊髄において神経線維の保護と軸索伸展を促進したと考えられた。電子顕微鏡により、移植hBMSC-SCsの髄鞘形成を認めた。 【結論】ヒト骨髄間質細胞由来Schwann細胞移植の脊髄損傷に対する細胞移植療法への応用の有用性が示唆された。
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Research Products
(1 results)