2005 Fiscal Year Annual Research Report
抗癌剤およびカフェイン封入リポゾームを用いた骨肉腫の治療とテーラーメイド化学療法
Project/Area Number |
16591480
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
土屋 弘行 金沢大学, 医学系研究科, 助教授 (40227434)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 憲男 金沢大学, 医学系研究科, 助手 (90332668)
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Keywords | 骨肉腫 / カフェイン封入リポゾーム |
Research Abstract |
前年度に引き続き,カフェイン封入リポゾームの開発とその体内動態および抗癌剤増強効果について実験を行った.前年度では,粒子径が250〜300nmのカフェイン封入リポゾームを使用し,血中滞留性および抗癌作用増強効果に関して良好な結果を得ることはできなかった.そのため,今年度新しく開発した粒子径が150〜200nmのカフェイン封入リポゾームを使用し実験を行った.ラットの静脈内にカフェイン封入リポゾームを投与し,投与後経時的にカフェイン血中濃度を測定し,血行動態を評価した.カフェインの静脈内投与を行ったラットと比較し,血中滞留性は有意に高かった.また,ラット骨肉腫を移植したラットにカフェイン封入リポゾームの静脈内投与を行い,腫瘍へのカフェインの移行性を評価した.カフェインを静脈内投与したラットでは,6時間後には腫瘍内濃度が測定限界以下であったのに対し,カフェインリポゾームを投与したラットではわずかではあるがカフェインが検出された.まとめると,カフェイン封入リポゾームが血中滞留性に優れており腫瘍への送り込みに有利であることがわかった.しかし,実際に抗癌剤の抗腫瘍効果を増強する量のカフェインを投与するためには,リポゾーム内のカフェイン封入率を現在のリポゾーム自体の調整方法を検討し,さらに新しいカフェイン封入リポゾームを開発中である.
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