2005 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子ノックアウトマウスを用いた骨リモデリングにおける線溶系因子の分子基盤の解析
Project/Area Number |
16591482
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石崎 明 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (20356439)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小澤 修 岐阜大学, 大学院・医学研究科, 教授 (90225417)
松野 浩之 同志社女子大学, 薬学部, 教授 (40273148)
中島 恵一 北海道農業研究センター, 畜産草地部, 主任研究官 (70362150)
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Keywords | 骨芽細胞 / 破骨細胞 / 線溶系因子 / 骨代謝 / ノックアウトマウス / 卵巣除去手術 |
Research Abstract |
骨代謝は骨を形成する骨芽細胞の働きと骨を吸収する破骨細胞の働きによって、そのバランスが保たれている。しかし、これまでに線溶系因子の活性の変化により、骨芽細胞や破骨細胞の機能がどのように影響されるかを明確にした例はなく、線溶系がどのようなメカニズムで骨代謝を調節するかについては不明である。 そこで、今回我々は、線溶系各因子の遺伝子ノックアウトマウスを利用して、線溶系の活性化の程度による骨密度の変化や、骨芽細胞や破骨細胞の増殖・分化能力の変化を調べることにより、線溶系による骨代謝調節メカニズムについて明らかにしたいと考えた。具体的には、骨粗鬆症モデルである卵巣除去手術(OVX)による大腿骨海綿骨密度低下について、各線溶系遺伝子ノックアウトマウスを用いて観察し、それぞれの結果を比較検討した。その結果、プラスミノーゲンノックアウトマウスと野生型マウスではOVXによる明らかな大腿骨海綿骨密度の低下が認められたが、α2-アンチプラスミンノックアウトマウスでは同様な結果は認められなかった。また、プラスミノーゲンノックアウトマウスの大腿骨海綿骨密度はOVX処理と未処理に関わらず、野生型マウスよりも明らかに低い値を示していた。これらの結果から、線溶系因子の活性化の程度が高い場合には、大腿骨海綿骨密度を高くし、また、低い場合には大腿骨海綿骨密度を低くする機構か働いていると考えられた。一方、プラスミノーゲンノックアウトマウスの脛骨から採取した骨髄細胞の破骨細胞分化能力と骨破壊能力は野生型マウスのそれらよりも高く、逆に、α2-アンチプラスミンノックアウトマウスの脛骨から採取した骨髄細胞の破骨細胞分化能力と骨破壊能力は野生型マウスのそれらよりも低いことが判明した。これらの結果から、線溶系の活性の変化による大腿骨海綿骨密度の変化は、破骨細胞の分化や骨破壊能力の違いによるものであると予測された。
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Research Products
(3 results)