2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16591483
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
西田 佳弘 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (50332698)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三嶋 真爾 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (60378114)
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Keywords | CD-RAP / 骨軟部腫瘍 / 腫瘍マーカー / 変形性関節症 / 関節症マーカー |
Research Abstract |
骨、軟部腫瘍患者におけるCD-RAPの血清中濃度をELISAにて解析した。骨肉腫、脊索腫において統計学的に有意に血中CD-RAP濃度が上昇しており、腫瘍マーカーとしての有用性が示唆された。 この結果を裏付けるためにCD-RAPの骨、軟部腫瘍組織における発現を生検組織、手術摘出標本にて解析した。抗CD-RAP抗体を使用して免疫組織染色で蛋白発現を、抽出したtotal RNAをもとにCD-RAPに特異的な抗体を使用してRT-PCR法にて遺伝子発現を評価した。脊索腫、骨肉腫において血清中濃度結果と一致して、組織中での蛋白発現、遺伝子発現は増加しており、腫瘍自身が発現することで血清中の濃度が上昇している特異性が示された。次にCD-RAPが腫瘍学的予後予測分子として有用であるかを調べるために、腫瘍学的予後とCD-RAPの血中濃度との関連を解析した。個々の腫瘍数に限りがあるため、予後とCD-RAP値との間に有意差は認められなかった。しかし腫瘍のサイズとは有意に関連していた。 CD-RAPの血清値と骨軟部腫瘍患者の予後との間に統計学的に有意な関係が見いだせなかったことから、他分子で予後を予測できる可能性を追究した。整形外科の中で特に治療に難渋する悪性骨腫瘍である骨肉腫組織における転移と関連するタンパク分解酵素の発現と生命予後との関係を解析したところ、Membrane-type matrix metalloproteinase-1(MT1-MMP)の組織発現が生命予後を悪くすることが判明した。また、Matrix metalloproteinase-2(MMP-2)とMT1-MMPが一緒に局在することで骨肉腫患者の予後を増悪させることも明らかとなった。以上より、骨肉腫の生検組織に対する免疫組織染色によりMT1-MMP、MMP-2の局在、染色性を評価することにで、より強力な治療を必要とする患者の抽出が可能となると予測される。
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Research Products
(6 results)