2004 Fiscal Year Annual Research Report
関節リウマチにおける酸化LDL受容体の病的意義解明-関節液中、血中遊離型酸化LDL受容体測定の臨床応用-
Project/Area Number |
16591488
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Research Institution | Tenri University |
Principal Investigator |
安田 義 天理大学, 体育学部, 教授 (40314223)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 孝志 京都大学, 医学研究科, 教授 (10201675)
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Keywords | 関節リウマチ / 酸化LDL / レクチン様酸化LDL受容体 / 関節軟骨 / MMP |
Research Abstract |
関節リウマチ(RA)軟骨における酸化LDLとその受容体であるlectin-like oxidized low density lipoprotein-1 (LOS-1)の存在、酸化LDLとLOS-1が関節軟骨におけるMMP-3産生に及ぼす影響について調べた。 (1)RA軟骨、変形性関節症(OA)軟骨、健常軟骨における酸化LDLとLOX-1を蛍光抗体で組織学的に検索した。RA軟骨で大多数の細胞は酸化LDLとLOX-1陽性であったが、OA・健常軟骨では陽性細胞が見られなかった。(2)軟骨器官培養系に蛍光標識酸化LDLを投与すると、軟骨を浸潤して軟骨細胞と結合した。抗LOX-1抗体は酸化LDLと軟骨細胞との結合を阻害した。(3)軟骨器官培養系に酸化LDLを投与してMMP-3産生をimmunoblotting、ELISAで検索した。酸化LDLは培養軟骨のMMP-3産生を亢進させた。抗LOX-1抗体は酸化LDLによるMMP-3産生を抑制した。(4)酸化LDLは培養軟骨のLOX-1発現を亢進させた。 健常関節液と比較してRA関節液中ではLDLが増加しており、酸化LDLはOAよりRAで増加していると報告されている。今回の研究結果から、RA関節液中で増加している酸化LDLは関節軟骨に浸透して軟骨細胞LOX-1と結合しMMP-3産生を亢進させることが示唆された。RA関節軟骨で見られる酸化LDLとLOX-1の増加は軟骨破壊に関与している可能性があり、RAにおける関節破壊機序として過酸化脂質の関与も考えるべきである。
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Research Products
(1 results)