2005 Fiscal Year Annual Research Report
軟骨組織に対する温熱療法の効果に関するmRNAレベルの検討
Project/Area Number |
16591506
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
北條 達也 京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (40298740)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 俊一 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (20178031)
高橋 謙冶 京都府立医科大学, 医学研究科, 助手 (30347447)
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Keywords | 軟骨細胞 / 温熱 / 細胞活性 / アグリカン / typeIIコラーゲン / mRNA |
Research Abstract |
軟骨肉腫細胞から株化した軟骨様培養細胞(HCS-2/8)を平板培養し、37、39、41、43℃に設定した恒温漕内に防水処理をして浸漬し温熱を負荷した。温熱負荷時間をそれぞれの温度で15分間および30分間に設定した。温熱負荷後4時間37℃で培養を継続した後、グアニジン酸フェノールクロロホルム法でRNAを抽出し、軟骨代謝に関連するアグリカンとtypeIIコラーゲンのmRNAの発現をReal-time PCR法で解析した。また、温熱負荷後に72時間培養を継続した後、Tetrazolium salt-based assayにより細胞活性を測定した。mRNA、細胞活性ともに37℃の温熱刺激群を対照群とした。アグリカンのmRNAの発現は39℃、15分の温熱刺激ではほとんど変化がなかったが、39℃、30分の温熱刺激では亢進した。41℃では15分、30分ともに軽度低下し、更に43℃の温熱刺激では15分・30分ともに低下傾向を認め、特に43℃、30分の刺激では著明低下した。typeIIコラーゲンmRNAの発現は39℃、15分・30分、41℃、15分の温熱刺激で軽度亢進し、41℃、30分および43℃の温熱刺激で低下した。細胞活性は39℃、41℃の温熱刺激では37℃と優位な差がなかったが、43℃では優位に低下した。また、これらの結果から、軟骨細胞に対する温熱負荷は刺激温度と刺激時間という二つのパラメーターを合わせた温熱量という概念で刺激強度を勘案する必要があり、温熱刺激が適度であると温熱刺激は軟骨代謝および細胞活性を促進し、温熱量が過度な場合には低下させることを、mRNAレベルで証明することができた。
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