2004 Fiscal Year Annual Research Report
高機能性人工マトリックスを用いた軟骨再生と非侵襲的機能評価法の確立
Project/Area Number |
16591512
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
佐藤 正人 東海大学, 医学部, 講師 (10056335)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
持田 譲治 東海大学, 医学部, 教授 (50174347)
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Keywords | 組織工学 / 細胞外マトリックス / 成長因子 / 培養担体 / バイオマテリアル / 非侵襲的力学特性評価 / 光音響法 |
Research Abstract |
1.高機能性人工マトリックスに関して 今回,軟骨の再生医療の基礎研究として,ACHMS-scaffold等のバイオマテリアルにこれらの糖鎖(HCPS, CSCPS)を固定化し,増殖因子,接着因子等の吸着を増大させた高機能性マトリックスを作製し,その内部で関節軟骨細胞,椎間板線維輪細胞等を三次元培養に供した.その結果,ACHMS-scaffoldは長期間細胞周囲にFGF2をはじめとする増殖因子を集約し得ることが確認された.これは内因性増殖因子を有効活用することで、外因性増殖因子によらない安全な細胞増殖、分化誘導を実現する可能性がある。さらにこのHCPSをコーティングする際の濃度を変えて、修飾環境を変化させることで、細胞と細胞外マトリックスとのインターアクションをも変化させることがわかり、細胞周囲環境の影響が特に軟骨細胞では形質発現を維持に重要であることを確認した.これらは至適細胞外環境を細胞に付与したい性質にあわせて変化させることで、形質発現をコントロールできる可能性を示唆した。すなわち、これら修飾糖鎖で加工された環境を細胞が、自在に移動できるような環境を構築すれば、増殖や分化段階をコントロールした組織工学技術として、再生医療にとって理想的な培養環境を提供し得ると考えられた. 2.非侵襲的機能評価法に関して レーザー誘起光音響法を用いて、再生軟骨の力学特性を経時的に非侵襲的に機能評価可能であることを確認した。また、安全性試験も実施し、東海大学臨床研究審査委員会の認可を受け、2005年1月より本法の臨床診断への応用を開始したところである。
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Research Products
(4 results)