2004 Fiscal Year Annual Research Report
GM-CSF搭載制限増殖型ヘルペスウイルスを用いたヒト難治性肉腫の標的治療
Project/Area Number |
16591521
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Research Institution | Research Institute, Osaka Medical Center for Cancer and Cardiovascular Disaeses |
Principal Investigator |
山村 倫子 大阪府立成人病センター, 研究所, 主任研究員 (50342994)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 克仁 大阪府立成人病センター, 研究所, 総括研究員 (40211338)
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Keywords | ヘルペスウイルス / カルポニン / ウイルス療法 / 遺伝子治療 / 肉腫 / GM-CSF |
Research Abstract |
健常人の白血球よりRNAを抽出し、PCR法でヒトGM-CSFの全長cDNAをクローニングした。ヒトカルポニン遺伝子のプロモーター(+73〜-260bp)を、単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)ウイルスの複製開始に必須な転写因子をコードするICP4遺伝子の上流に挿入し、さらにその上流に標識遺伝子lacZを、その下流にInternal Ribosomal Entry Site (IRES)とヒトGM-CSF cDNAを連結した相同組換えベクターpKX2βG3-CALP-ICP4-GM-CSFを構築した。このDNA断片をICP4欠失HSV変異体d120のRibonucleotide reductase (RR,ICP6)-locusに相同組み換え法を用いて挿入し、ICP4とRRの二重欠失変異体をスクリーニングした。RRはDNAウイルスの複製に必須の酵素であるが、真核細胞でも分裂増殖時に合成されるため、このHSV変異体は、カルポニン遺伝子を発現しかつ活発に増殖している細胞すなわち肉腫に感染すると腫瘍細胞由来のRRを利用して複製可能となり、細胞溶解活性を示す。さらに、宿主の抗腫瘍免疫を賦活化するGM-CSF cDNAをIRESを用いて発現させることにより、ウイルス複製自体による肉腫の傷害作用に加えて、抗腫瘍免疫作用をも合わせもつ。
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Research Products
(1 results)