2004 Fiscal Year Annual Research Report
敗血症における呼吸筋筋力の低下に対する人工呼吸の影響
Project/Area Number |
16591536
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
内山 昭則 大阪大学, 医学部附属病院, 助手 (00324856)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤野 裕士 大阪大学, 医学部附属病院, 講師 (50252672)
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Keywords | 敗血症モデル / 人工呼吸 / 補助換気 / 横隔膜筋力 / LPS / 間歇的強制換気 / 呼吸筋筋力 / 筋障害 |
Research Abstract |
本年度は以下のように補助換気法、間歇的強制換気(IMV)の敗血症モデルにおける呼吸筋障害への影響を調べる実験を行った。370-420gオスSprague-Dawley系ラット(n=60)対象を対象として、ケタミン、キシラジンを腹腔内投与し麻酔導入、局所麻酔下に気管切開、右内径動脈をカットダウン。麻酔維持はケタミン、キシラジンを持続投与した。敗血症モデルはLPS10mg/kgを5分間かけて投与して作成し、LPS投与後30分間、ルームエアー下自発呼吸で放置した後、以下の呼吸条件で4時間人工呼吸管理を行った。(1)CPAP群;CPAP 5 cmH_2O,陽圧補助はなし。(2)IMV15群;IMVモード15/min,PEEP 5 cmH_2O。(3)IMV30群;IMV30/min,PEEP 5 cmH_2O。(4)IMV45群;IMV 45/min,PEEP 5 cmH_2O。(5)IMV45+MR群;筋弛緩薬投与下、IMV 45/min,PEEP 5 cmH_2O。(6)Control群;LPSの代わりに生食を投与、4hrの人工呼吸もせず。IMV換気条件はpressure control圧10cm_2O、吸気時間0.3秒とし、人工呼吸器:Servo300(ジーメンスエレマ社)を使用した。横隔膜筋力の評価にはin vitroチャンバー法を用いた。実験終了後、横隔膜を摘出し左横隔膜から筋strip(2×13mm)を作成。5%CO_2+95%O_2をバブリング下のKrebs-Ringer液を還流したチャンバー内で電気刺激し筋張力を測定した。測定項目はtwitch刺激、10,20,50,100,120Hzのテタヌス刺激、50Hzのテタヌス刺激(duty cycle 1:1、2min)後の筋力の減衰度とした。結果は換気条件によって血液ガス、循環動態に各群間に大きな差はなかった。換気条件はLPS投与後の横隔膜筋力の低下の程度に影響し、120Hzテタヌス刺激時に得られる最大筋力で比較するとIMV30が最も筋力低下が小さく、IMV45が筋力低下が最大であった。twitch張力はIMV30とIMV45とに差があった。筋疲労のしやすさにはグループ間に大きな差はなかった。このように換気条件はLPS投与後の横隔膜筋力の低下に影響した。補助換気条件を調整することによってLPSによる筋力低下を防止できる可能性がある。しかし、高い換気補助条件ではLPSによる筋力低下の程度は大きくなった。筋弛緩薬投与下の調節呼吸の筋力低下防止効果は補助換気よりは小さかった。
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