2006 Fiscal Year Annual Research Report
マラソン型重畳呼吸式人工呼吸法の肺酸素化効率と肺保護効果の検討
Project/Area Number |
16591539
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
岡崎 直人 鳥取大学, 医学部, 助手 (30032204)
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Keywords | 重畳式呼吸法 / 保護換気 / 気道内圧 / 低容量換気法 / 肺傷害 / 摘出灌流肺 / 肺乾湿重量比 |
Research Abstract |
マラソン型重畳呼吸式人工呼吸法による肺保護効果の検討についてウサギ摘出灌流肺を対象に傷害の程度を重畳呼吸式人工呼吸法群(M群)と対照群(V群)とで比較する方法で行った。 M群(n=7)は吸気・呼気相時間タイミング(秒)は吸;0.3、止;0.2、吸;0.3、止;0.2、呼;0.3、止;0.2、呼;0.3、止;0.2の30回/分、V群(n=7)はTV8ml/kg、呼吸回数30回1分でいずれも混合ガス(酸素21%、炭酸ガス5%、窒素バランス)で陽圧換気した。摘出肺であるために両群ともPEEPを負荷した。傷害が起こり易いように灌流液の膠質浸透圧成分をフィコール、組成を3%、灌流量を35ml/kg/minとした。 比較対象項目は、肺動静脈灌流抵抗、コンプライアンス、肺乾湿重量(W/D)比、BAL液の蛋白濃度とミエロパーオキダーゼ(MPO)活性、肺圧容量曲線(PVC)とした。 W/D比はV群:7.5±0.5、M群:6.9±0.2(p=0.015)で、蛋白はV群:67±30、M群:46±32μg/ml(p=0.15)で、MPOはV群:0.6±0.1、M群:0.4±0.2ΔO.D/ml/min(p=0.06)であった。M群で動脈抵抗が約15%増加し、摘出灌流の影響として理解できる値を示したが、V群は逆に動脈抵抗が約20%減少していた。静脈側は変化がなかったことから灌流液の一部が動脈から静脈へ直接流れ、傷害が大きかったことが考えられる。肺コンプライアンスには変化が認められなかったが、統合的な判断が可能なPVCはV群でのみ高圧側へシフトしていた。 実験例数を増やせば検出力が向上し、W/D比以外にも有意差が得られるものと推測され、マラソン型重畳呼吸式人工換気法は従来法に比べて肺障害の進展に対する保護効果があるものと判断された。
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