2004 Fiscal Year Annual Research Report
虚血性臓器障害に対するヒスチジン投与の効果に対する研究
Project/Area Number |
16591547
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
新井 達潤 愛媛大学, 医学部, 教授 (50033436)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土手 健太郎 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (00172239)
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Keywords | 一過性脳虚血 / ヒスタミン / ヒスヂジン / ヒスタミンH1受容体 / ヒスタミンH2受容体 |
Research Abstract |
ウィスター系雄性ラットをハロタンで麻酔した後、右中大脳動脈閉塞を2時間施行し、その後血流を再開させることで、虚血・再灌流モデルを作成した。実験1ではヒスチジン(200mg/kg、500mg/kg,1000mg/kg)を血流再開直後および6時間後の2回にわけて、薬剤を腹腔内投与し虚血性脳障害を軽減するために必要なヒスチジン量を検討した。血流再開より24時間後にTTC染色で脳組織を観察した。その結果生食投与群と比較して梗塞サイズはそれぞれ71%,39%,7%に減少し、1000mg/kgのヒスチジン腹腔内投与が虚血性脳障害に対し有効であることがわかった。実験2では実験1と同様に中大脳動脈閉塞により虚血・再灌流をさせたラットにヒスチジン1000mg/kgを血流再開直後および6時間後に腹腔内投与した。さらに生食(20μL)、メピラミン(3nmol)、ラニチジン(30nmol)を血流再開直後に脳室内投与し、ヒスタミンH1、H2受容体のどちらが虚血性脳障害に関与しているかを検討した。その結果、メピラミン投与では脳障害の程度が変化なかったのに対し、ヒスタミンH2受容体拮抗薬のラニチジン投与ではヒスチジンによる脳障害改善効果を完全に打ち消した。以上よりヒスチジン1000mg/kg腹腔内2回(直後および6時間後)投与は脳神経障害を改善し、ヒスタミンH2受容体拮抗薬のラニチジン投与によりその効果は減弱することが判明し、脳神経障害改善にヒスタミンH2受容体の関与が示唆された。
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