2004 Fiscal Year Annual Research Report
脳虚血に対する保護物質としてのデルタオピオイドの基礎的研究
Project/Area Number |
16591556
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
井上 聡己 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (50295789)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川口 昌彦 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (60275328)
佐々岡 紀之 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (70364073)
古家 仁 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (70183598)
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Keywords | 神経保護 / デルタオピオイド / 脳虚血 / 脳保護 |
Research Abstract |
ラット全前脳虚血モデルの導入および選択的デルタオピオイドアゴニスト(DADLE)の対虚血脳保護効果の検討及び至適投与量の検討を行った。SDラット(300-350g)にイソフルランにて麻酔を施し虚血負荷開始30分前にDADLE[D-Ala2,D-Leu5]-enkephalin):0、025、1.0、4.0、16mg/kgを腹腔内に投与した。右外頚静脈からの脱血により平均動脈圧を35mmHgに維持し、両側総頚動脈を血管クリップにより10分間遮断した(両側総頚動脈遮断+脱血低血圧モデル)。運動機能と活動性の評価を虚血7日後に行ない、海馬領域を中心に組織学検討を行った。また、やや軽度な虚血(8分、6分)において、デルタオピオイドアゴニストであるnatrindole 10mg/kgの虚血負荷開始30分前の腹腔内投与を用いてデルタオピオイド受容体遮断が脳障害を増強させるか検討した。いかなる濃度のDADLEも10分間虚血による脳障害を軽減しなかった。しかし、8分の虚血においてnatrindoleは脳障害を増悪させた。これらの結果よりラットにおけるデルタオピオイドは強い虚血に対しては保護効果を有さないが、軽度の虚血には関連する可能性が示唆された。次年度は軽度脳虚血に対するDADLEの影響を検討する。
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