2005 Fiscal Year Annual Research Report
脳虚血に対する保護物質としてのデルタオピオイドの基礎的研究
Project/Area Number |
16591556
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
井上 聡己 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (50295789)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川口 昌彦 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (60275328)
佐々岡 紀之 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (70364073)
古家 仁 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (70183598)
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Keywords | 神経保護 / デルタオピオイド / 脳虚血 / 脳保護 |
Research Abstract |
ラットにおける強度の全前脳虚血(10分)に選択的デルタオピオイドアゴニスト(DADLE)は効果がないことがわかった。軽度な脳虚血(6,8分)においてDADLEに保護効果があるかどうか本年は検討を行った。その結果軽度脳虚血はDADLE投与により損傷が軽減することがわかった。しかしながらデルタオピオイド受容体を解して保護効果を示したかどうか検討する必要がありデルタオピオイドアゴニストであるnatrindoleによるデルタオピオイド受容体遮断を行った場合DADLEの保護効果がどのような影響を受けるかも検討した。8分の虚血においてnatrindoleはDADLEの保護効果を相殺したが、6分虚血においてnatrindoleはDADLEの保護効果を相殺するだけでなく逆に悪化させた。この結果からデルタオピオイド受容体刺激は軽度脳虚血においてのみ保護効果を有することがわかった。しかしながらデルタオピオイド受容体遮断が非常に弱い脳虚血に対して脳障害を悪化させるのか不明であり、次年度はこのメカニズムを内因性オピオイドの関与も踏まえ検討する予定である。
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