2006 Fiscal Year Annual Research Report
麻酔薬の悪性腫瘍細胞に対するアポトーシス誘導活性に関する研究
Project/Area Number |
16591560
|
Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
長坂 浩 明海大学, 歯学部, 教授 (10189110)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂上 宏 明海大学, 歯学部, 教授 (50138484)
|
Keywords | オートファジー / アポトーシス / モルフィノン / がん細胞 |
Research Abstract |
モルフィノンによるヒト正常口腔組織由来細胞(歯肉線維芽細胞、歯髄細胞、歯根膜線維芽細胞)、ヒト口腔扁平上皮癌(HSC-2 Cell, HSC-3 Cell, HSC-4 Cell, NA, Ca9-22)とヒト前骨髄性白血病細胞(HL-60)の細胞傷害効果について検討した。細胞培養はMTT法で測定した。 1)モルフィノンの細胞傷害活性を調べた。HSC-2 Cell(CC_<50>=44μM),HSC-3 Cell(CC_<50>=52μM), HSC-4 Cell(CC_<50>=38μM), NA(CC_<50>=47μM), Ca9-22(CC_<50>=24μM)、HL-60(CC_<50>=25μM)。この値は、正常細胞と比べて細胞傷害性が高いことがわかった。 2)モルフィノンによるHL-60 Cellにおけるアポトーシスおよび非アポトーシスの誘導について検討する。アポトーシス誘導はDNAの断片化(アガロースゲル電気泳動により検出)、Caspase3,8,9の活性化(基質の切断活性により測定)を指標として判定する。 結果HL-60;モルフィノン単独効果Caspase 3活性はHSC-2 Cellと同じように投与量依存性に賦活化した。しかし、actinomycinDほどでなかった。Caspase8,9活性はない。これは、DNA断片化が起こらなかったのと一致する。また、3時間、6時間、12時間の時間経過を観察してもCaspase活性はなかった。 3)走査型電子顕微鏡ではモルフィノンによるHL-60 Cellにおいてミトコンドリアのshrinkage, autophagosomeの形成が生じた。Apoptotic bodyを生じなかった。また、Autophagy inhibitorを投与するとモルフィノンの細胞傷害効果が若干減弱した。アクリジンオレンジ染色で細胞質にドット状の酸性オルガネラの蓄積を観察した。 モルフィノンは、DNAの断片化、カスパーゼ活性化の誘導性の低いこと、オートファゴゾームの形成を誘導することから、アポトーシスよりもオートファジーを誘導する可能性がある。
|
Research Products
(3 results)