2004 Fiscal Year Annual Research Report
脳血管内交感神経α2B受容体活性化の脳血管スパズム及び脳梗塞発症への関与
Project/Area Number |
16591561
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
岡本 浩嗣 北里大学, 医学部, 助教授 (50224077)
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Keywords | 交感神経 / α受容体 / 脳血管スパズム / 脳血流 / 脳梗塞 |
Research Abstract |
局所脳虚血後再灌流:急性ラットモデルと慢性ラットモデルでの検討; 麻酔後定点固定装置にラット頭部を固定し、閉鎖型脳窓よりレーザー血流計で脳血流を測定した。左外頚動脈より加工した4-0エチロン系を左内頚動脈方向へ挿入し左中大脳動脈を閉塞、閉塞後2時間経過後、再灌流を行った。急性ラットモデルでは脳虚血再灌流30分後、慢性ラットモデルでは、1週間後ラットを断頭し、脳組織を凍結後一定の断面で切断した。2,3,5-triphenyl tetrazolium hydrochloride(TTC)の生食溶液の中でインキュベートし染色を行い、梗塞部位を撮影した。画像をPCに保存し、画像解析ソフトにて梗塞領域の体積を計算した。HE染色も重ねて行い、神経細胞の変化を確認した。 急性・慢性の両モデルにおいて、脳血管内交感神経α2B受容体刺激作用を持つとされる高濃度(1μg/kgもしくは10μg/kg)デクスメデトミジンを投与した結果、脳梗塞の発症や梗塞領域の拡大が生じた。さらに交感神経α2受容体拮抗作用を持つとされるヨヒンビンを投与したところ、脳梗塞領域の減少が生じた。コントロール群と比較して急性ラットモデルでは脳梗塞の発症率が差が生じたが、慢性ラットモデルでは梗塞領域の差が顕著であった。HE染色においても神経細胞の変性が確認できた。 この結果より脳血管内交感神経α2B受容体刺激は末梢の脳血管のスパズム或いは狭小化を引き起こし脳梗塞の発症や梗塞領域の拡大を来した可能性が示唆された。
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