2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16591580
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
柴田 康博 群馬大学, 医学部, 講師 (90344936)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 和浩 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80312891)
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Keywords | 前立腺 / 血流 / ホルモン / 血管内皮増殖因子 |
Research Abstract |
1.血流制御因子の前立腺血流に対する影響 成熟雄性ウイスターラットの前立腺にアンジオテンシンII(AT2)、エンドセリン(EC)を投与し、血流に対する影響をレーザー血流計で測定した。AT2の投与後30分では、前立腺血流は前値に比し容量依存的に23-40%抑制された。EC 1,2,3いずれの投与でも前立腺血流は抑制され、投与後30分では前値に比し59-73%抑制された。AT2およびECは前立腺血流に対し抑制的に作用することが明らかとなった。また、前年度の検討で前立腺血流増加作用をもつことが確認された、アドレノメデュリン(ADM)、プロスタグランジンE2(PGE2)について詳細に検討を行った。両者とも投与後10-30分の早期に前立腺血流を増加させ、また容量依存性の作用を示すことを確認した。 2.アンドロゲンによる前立腺血流調節機構におけるADM、PGE2の関与 前立腺のADM、PGE2遺伝子発現量はアンドロゲンの刺激により増加し、またアンドロゲンの前立腺血流増加作用は、ADM、PGE2の拮抗剤の同時投与により阻害された。これらの因子がアンドロゲンによる前立腺血流調節機構に関与していることが明らかとなった。 3.前立腺血流制御機構におけるADMと血管内皮増殖因子(VEGF)との関係 ADMとVEGFはともにアンドロゲンによる前立腺血流調節機構に関与し、前立腺血流増加作用を有するが、血流増加作用はVEGFと抗ADMの同時投与で阻害され、ADMと抗VEGF抗体(中和抗体)の同時投与では阻害されなかった。アンドロゲンによる前立腺血流調節機構のシグナル伝達においてADMはVEGFの下流で作用することが示された。 今後は前立腺血流調節に関与することが明らかとなった因子を標的とした前立腺癌治療の有用性を検討するため、ヒト前立腺癌細胞株を用いたin vitro, in vivoの検討を行う予定である。
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