2005 Fiscal Year Annual Research Report
インスリン抵抗状態がラット海線体内皮・平滑筋ならびに勃起機能に与える影響の検討
Project/Area Number |
16591584
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西松 寛明 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (60251295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武内 巧 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (90167487)
鈴木 越 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (40313134)
平田 恭信 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (70167609)
北村 唯一 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (70010551)
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Keywords | Zuckerラット / スタチン / PI3K / Akt / アンジオテンシンII |
Research Abstract |
【目的】Zuckerラットを用いて、スタチン投与モデルでの血管拡張機能に関する解析を行った。まずZucker fatty rat(以下、Zucker)とLean Zucker rat(以下、Lean)を用いてCNI-1493投与モデルにおいて、大動脈の血管拡張反応を大動脈のIsometric tensionを用いて検討した。Zuckerラットとfluvastatinを用いてインスリンの作用ならびに内皮型NO合成酵素(eNOS)の活性化の両者に関与するphosphatidylinositol-3kinase(P-I-3K)/Akt系について報告した。本研究ではさらにアンジオテンシンII(AngII)における血管反応性の変化について検討した。【方法】1:16週齢Zucker対照ラット((+/+):C群)、同肥満ラット((fa/fa):Fa群)、ならびに生後12週から4週間、fluvastatin 5mg/kgを投与したfa/faラット(Sta群)の大動脈リング標本を用いて、AngIIによる張力の変化を調べた。2:C群、Fa群のそれぞれ4、8、および12週齢ラットの胸部大動脈を摘出し、アンジオテンシンIIタイプ1レセプター(ATIIR1)の発現をNorthern blotにより解析した。3.Rho依存性Ca2+依存性の反応をβesicnにて透過性を亢進させた血管(skinned fiber)を用いて、Ca^<2+>ならびにGTPγSによる平滑筋収縮の変化から調べた。4.さらに胸部大動脈の内皮依存性NO合成酵素(eNOS)とRhoのmembrane translocationを血管からcytosolic/membrane分画に分けて蛋白を抽出し、Western blotにより解析した。【成績】1:リング標本ではAng II投与による血管拡張は、C群に比べFa群で亢進していたが、statinの投与により改善が認められた(tension(10^<-5>M Ang II):C〓0.35±0.10,S〓0.51±0.09,Fa〓0.60±0.09%;p<0.05)。2:Northern Blotによる検討でATIIR1の発現は、C群ならびにFa群で変化を認めなかった。3.skinned fiberのカルシウム感受性収縮反応は3群で有意差を認めなかった。がGTPγSによる血管収縮反応はC群に比べFa群で亢進していたが、Sta群でC群と同程度まで改善が認められた(%pCa4.5Tension(10^<-5>M GTPγS):C〓38±17 S 42±12,Fa62±17%;p<0.05)。4.eNOSの発現はFa群で低下していたが、Sta群で改善が認められた(relative intensity ; C:Sta:Fa=X:Y:Z)、またRhoのtranslocationはFa群で明らかにmembrane分画が増加しており、Sta群で抑制されていた。【結論】statin系薬剤はインスリン抵抗性ラットモデルにおいてP-I-3K/Akt経路を活性化し、eNOSをupregulateしていることが示唆された。またstatinは血管におけるRhoの活性化を抑制して平滑筋機能を改善し、高血圧に対して抑制的に働いていることが示唆された。
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Research Products
(3 results)