2005 Fiscal Year Annual Research Report
プロテオミクスを利用した尿路上皮癌のための複合バイオマーカーの開発研究
Project/Area Number |
16591593
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Research Institution | The Department of Urology, Facultyof Medicine, Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
吉貴 達寛 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (80230704)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成田 充弘 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (00263046)
上仁 数義 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (90324590)
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Keywords | 尿路上皮癌 / 腫瘍マーカー / プロテオミクス |
Research Abstract |
CRT(カルレティキュリン)、SNCG(ガンマシヌクレイン)、COMT(カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ)の尿路上皮癌尿中腫瘍マーカーとしての有用性を検証するため、膀胱移行上皮癌患者尿109検体、非尿路上皮癌患者尿179検体を対象に、イムノブロット法によるそれぞれの蛋白質の尿中発現量について検討した。検出されたバンド強度を計測し、各蛋白質発現の有無を陽性または陰性で判定した。CRTでは外部標準物質のバンド強度の10%以上を陽性とし、SNCG、COMTでは内部標準サンプルでのバンド強度のそれぞれ5%、2%以上を陽性とした。CRT単独での陽性率は、膀胱癌109例中72例(66.1%)、非癌患者179例中29例(16.2%)で、これに対してSNCG単独での陽性率は膀胱癌109例中40例(36.7%)、非癌患者179例中6例(3.4%)であり、COMT単独での陽性率も膀胱癌109例中35例(32.1%)、非癌患者179例中17例(9.5%)と、偽陽性率は低かったが真陽性率も低く、SNCGとCOMTについては単独での膀胱癌診断マーカーとしての有用性は低いと考えられた。しかし、これら3種類の蛋白質発現を同時に検証した場合、どれか1種類の蛋白質のみの陽性率は膀胱癌109例中33例(30.3%)、非癌患者179例中35例(19.6%)、いずれか2種類の蛋白質のみの陽性率は膀胱癌109例中33例(30.3%)、非癌患者179例中5例(2.8%)、3種類の蛋白質すべて陽性であったのは膀胱癌109例中16例(14.7%)、非癌患者179例中2例(1.1%)であった。これらの結果から、CRT、SNCG、COMTの3種類のうち少なくとも1種類以上が陽性となる場合の膀胱癌検出率は109例中82例(752%)であったのに対し、非癌患者179例での偽陽性は42例(23.5%)であった。
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