2005 Fiscal Year Annual Research Report
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16591602
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
古賀 成彦 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (10205354)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金武 洋 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (50100839)
内藤 誠二 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (40164107)
松本 哲朗 産業医科大学, 医学部, 教授 (50150420)
田中 正利 福岡大学, 医学部, 教授 (30171797)
大島 一寛 福岡大学, 医学部, 教授 (30078795)
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Keywords | 腎腫瘍 / 腎血管筋脂肪腫 / 疫学 |
Research Abstract |
【目的】九州沖縄の各大学および関連施設における多施設の症例を集計し、腎血管筋脂肪腫の臨床的検討を行った。 【対象と方法】1998年1月1日から2002年12月31日までに受診した初診患者で、組織学的に又は画像診断にて腎血管筋脂肪腫と診断された症例を調査した。塞栓術後の縮小率は[(塞栓直前画像の腫瘍最大径cm-塞栓後最終画像の腫瘍最大径cm)/塞栓直前画像の腫瘍最大径cm]×100(%)にて計算した。 【結果】今回の調査にて腎血管筋脂肪腫267例290腎が集計された。男性67例、女性200例、男女比1:3であった。男女の平均年齢はそれぞれ53.3歳(24〜78)、52.1歳(20〜86)。腫瘍部位は左右差なく、両側23例(8.6%)であった。初診時自覚症状・他覚所見では偶発例が267例中197例(73.8%)を占め、疼痛34例(12.7%)、血尿25例(9.4%)となっていた。結節性硬化症は22例(8.2%)に見られた。腎動脈塞栓術は破裂7例を含む有症状15例(57.7%)、無症状11例(42.3%)に施行された。塞栓部位は栄養動脈28腎、腎動脈本幹3腎であった。破裂例は塞栓術にて全例止血できた。25腫瘍において塞栓術前後の腫瘍径測定が可能であった。25腫瘍中22腫瘍(88%)に縮小が認められ、平均腫瘍最大径は塞栓前4.9cm(SD2.9cm)、塞栓後2.9cm(SD2.7cm)であった(P<0.001)。また平均縮小率は45.2%(SD30.5%)であった(平均観察期間28.1ヵ月)。 【結論】今回の調査により腎血管筋脂肪腫の実態が明らかになった。偶発例で、経過観察されている症例が多く見られた。腎血管筋脂肪腫に対する腎動脈塞栓術は破裂症例を含む有症状例の治療として有効であった。また栄養動脈塞栓術は無症状例でも治療法のひとつとして選択できることが示唆された。
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