2005 Fiscal Year Annual Research Report
膀胱癌に対するペプチドワクチン療法の基礎及び臨床研究
Project/Area Number |
16591628
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Research Institution | KURUME UNIVERSITY |
Principal Investigator |
松岡 啓 久留米大学, 医学部, 教授 (30131783)
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Keywords | 膀胱腫瘍 / ペプチドワクチン療法 / 癌抗原 / 免疫療法 |
Research Abstract |
膀胱癌患者に対する癌ペプチドワクチン療法の実施を目指して、4種類の膀胱癌細胞株における17種類の腫瘍抗原の発現をRT-PCR法で検討した。その結果、SART-1、SART-2、SART-3、CypB、ART-1、ART-4などの多種類の上皮性癌に発現する癌抗原のmRNAは、3種類の膀胱癌細胞株で同定できた。また、HER2、CEA、EGFRも3種類の膀胱癌に発現していた。PTHrPは、癌の骨転移病変や高Ca血症に関わる因子であるが、PTHrPのmRNAも2種類の膀胱癌細胞株で同定できた。EZH2は、悪性度の高い前立腺癌細胞に発現する蛋白であるが、3種類の膀胱癌細胞株に発現していた。MRP3は、上皮性癌に発現する癌関連抗原の一つであるが、3種類の膀胱癌細胞株に発現していた。前立腺関連抗原の一つであるPSCAも、3種類の膀胱癌細胞株に発現していた。 さらに癌細胞株で発現が確認できた抗原由来ペプチドで膀胱癌患者の末梢血リンパ球(PBMC)を刺激して、ペプチド特異的かつ膀胱癌反応性T細胞が誘導できるかを検討した結果、SART3(109-118),SART3(315-323),MRP3(503-511),MRP3(1293-1301),EZH2(291-299),EZH2(735-742)によって膀胱癌患者のPBMCからペプチド特異的なCTLが誘導できた。誘導されたCTLはCr release assayによりkilling作用を有していることを確認した。
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