2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16591630
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
赤坂 聡一郎 産業医科大学, 医学部, 助手 (30320360)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 昌良 産業医科大学, 医学部, 助手 (80369066)
笹栗 毅和 産業医科大学, 大学病院, 助教授 (70341493)
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Keywords | 間質性膀胱炎 / 内臓痛 / 視床下部-下垂体系 / エストロゲン / サイクロフォスファミド膀胱炎 / 下部尿路症状 / 尿意切迫感 / アポトーシス |
Research Abstract |
本研究において我々は間質性膀胱炎モデルとしたサイクロフォスファミド膀胱炎を用いて研究を行った。一般的に動物実験において疼痛レベルの定量的な解析は困難である。そこでまず、我々はサイクロフォスファミド膀胱炎モデルにおける疼痛レベルを定量化する目的で中枢神経系のストレス反応である視床下部corticotropin-releasing hormone(CRH)-下垂体adrenocortictrpic hormone(ACTH)系が活性化を調べた。その結果サイクロフォスファミド膀胱炎においてCRH遺伝子および血清ACTHレベルが上昇することを明らかにした。これらは膀胱の組織学的変化ともよく一致しており疼痛レベルの客観的評価に有用であると考えられた。 さらに我々は、女性ホルモンであるエストロゲンがサイクロフォスファミド膀胱炎の組織学的変化にどのような影響を及ぼすかについて調べた。卵巣摘除によりサイクロフォスファミド膀胱炎の炎症の程度は偽手術群に比べて有意に高度になり、この変化はエストロゲンの投与により回復した。また精巣摘除では偽手術群に比べて有意な変化を示さなかった。この結果はエストロゲンがサイクロフォスファミド膀胱炎の組織学的変化の調節に重要な役割を持つことを示唆している。このメカニズムとして考えられるのは、卵巣摘除群において膀胱粘膜におおくのアポトーシスを示す細胞がみられたことからエストロゲンのアポトシースの抑制作用が関与していることが示唆された。
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