2004 Fiscal Year Annual Research Report
免疫不全マウスへの異種移植系を用いたヒト卵胞成熟過程の解明
Project/Area Number |
16591633
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
寺田 幸弘 東北大学, 大学病院, 助教授 (10260431)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 節 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (20240666)
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Keywords | 免疫抑制マウス / ヒト卵胞発育 / ステロイド合成酵素 / 移植ヒト / 子宮内膜 / 月経周期 / 子宮NK細胞 |
Research Abstract |
本年度の目的は、免疫抑制マウスへのヒト組織の移植系を確立すること、すなわち、ヒト卵巣組織の採取法、保存法、移植部位、移植後の排卵誘発剤投与などの至適条件を検討することであった。婦人科手術時に摘出された新鮮卵巣組織を免疫不全マウスの皮下、腎被膜下、卵巣嚢内に移植した。移植後生着期間をおき、ヒト性腺刺激ホルモン剤を投与して卵胞発育を誘導した。ホルモン処理後経日的にマウスを安楽死させ、移植卵巣組織を摘出して、発育した卵胞を解析した。また、組織の生着率、成熟卵胞形成率を算出して、移植に至適な条件を検討した。卵巣嚢内へ移植した組織中の卵胞数は他部位に移植したものに比較して有為に高値を示した。すなわち、このような移植系では移植至適部位が存在することが明らかになった。また、卵巣嚢内に移植したヒト卵巣組織内にヒト体内成熟卵胞とほぼ同じサイズ(20mm)まで卵胞が発育した。また、この発育卵胞のステロイド合成系の酵素発現を免疫染色で観察したところ、ヒト体内成熟卵胞と同様のaromataseなどが発現していることが確認された。すなわち、このマウス体内で発育したヒト卵胞はヒト体内成熟卵胞と同様の機能を有していることが明らかになった。これらの結果を平成16年9月の第49回日本不妊学会(旭川市)および平成16年10月の日本生殖免疫学会(箱根町)で発表した。また、現在投稿論文を準備中である。また、本研究計画に附随する研究としてヒト子宮内膜を免疫抑制マウスに移植する実験も並行して行った。ヒト子宮内膜を移植、生着したマウスをヒト性腺ホルモン処理することにより、月経期のヒト子宮内膜と同様の周期性変化が組織的に認められた。これらの所見のレポートは生殖医学のtop journalである英国のHuman Reproductionに受理され現在印刷中である。
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Research Products
(8 results)