2005 Fiscal Year Annual Research Report
免疫不全マウスへの異種移植系を用いたヒト卵胞成熟過程の解明
Project/Area Number |
16591633
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
寺田 幸弘 東北大学, 病院, 助教授 (10260431)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 節 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (20240666)
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Keywords | 免疫抑制マウス / ヒト卵胞発育 / ステロイドム合成酵素 / 移植 / ヒト子宮内膜 / 月経周期 / 子宮NK細胞 |
Research Abstract |
昨年に引き続き免疫抑制マウスへのヒト組織の移植系を確立すること、すなわち、ヒト卵巣組織の採取法、保存法、移植部位、移植後の排卵誘発剤投与などの至適条件を検討することを目的とした。婦人科手術時に摘出された新鮮卵巣組織を免疫不全マウスの皮下、腎被膜下、卵巣嚢内に移植した。移植後生着期間をおき、ヒト性腺刺激ホルモン剤を投与して卵胞発育を誘導した。ホルモン処理後経日的にマウスを安楽死させ、移植卵巣組織を摘出して、発育した卵胞を解析した。また、組織の生着率、成熟卵胞形成率を算出して、移植に至適な条件を検討した。移植部位としては卵巣嚢が最もてきしていることが明らかになった。現在投稿論文を準備中である。また、本研究計画に附随する研究としてヒト子宮内膜を免疫抑制マウスに移植する実験も並行して行った。ヒト子宮内膜を移植、生着したマウスをヒト性腺ホルモン処理することにより、月経期のヒト子宮内膜と同様の周期性変化が組織的に認められた。これらの所見のレポートは生殖医学のtop journalである英国のHuman Reproductionに掲載された。さらにヒト子宮内膜の免疫抑制マウスへの移植系を用いて、将来の子宮内膜症治療薬としての応用の可能性が期待されているcyclooxygenase(COX)阻害剤の移植ヒト子宮内膜への影響を検討した。すなわち、COX2選択的阻害剤は血管新生を抑制することによりマウスに移植したヒト子宮内膜の発育を抑制することが明らかになった。この知見は現在アメリカ不妊学会雑誌(Fertility and Sterility)に受理され掲載予定である。
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Research Products
(6 results)