2004 Fiscal Year Annual Research Report
子宮頚部にneoplasticな病変がないHPV感染者の自然史の解明
Project/Area Number |
16591637
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
佐藤 豊実 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (80344886)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 裕之 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (40158415)
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Keywords | Human Papillomavirus / 自然史 / 細胞診正常 / リスクファクター |
Research Abstract |
目的:浸潤子宮頸癌の99.7%にHuman papillomavirus(HPV)感染がある事が確かめられているが、HPV感染者のどれほどの割合が全癌状態である子宮頚部異形成となるかは明らかではない。この自然史と感染、進展のリスクファクターを解明する事を目的とした。 対象と方法:文書による同意を得た一般病院受診者を対象として、子宮頚部細胞診とHPV DNA検査を同時に施行した。子宮頚部細胞診およびcolpsopeにて異常所見がなく(臨床上病変がないと考えられる対象群であり、侵襲的検査である組織診の施行は倫理的問題があるので行わず、細胞診で異常が出た際に初めて行う事とした)、HPV陽性の患者(HPV感染未発症者)を追跡調査の対象症例とした。HPV DNA検査はL1領域のコンセンサスプライマーを用いたPCR法により行った。初回検査時に性行動を含む生活習慣のアンケート調査を行い、6ヶ月ごとに子宮頚部細胞診とHPV DNA検査を行う事とした。アンケートは1年ごとに生活様式、性行動の変化についても追跡する事とした。 成果:初年度は症例を蓄積した。約1年間で388名の患者に子宮頚部細胞診とHPV DNA検査を同時に施行し、HPV感染未発症者101例を新たに登録した。研究計画では年間登録見込みを80例としていたのでこれを上回った。既に蓄積していた同様の対象群194症例を6〜48ヶ月(中央値24ヶ月)追跡した結果、1例のCIN2と2例のCIN3への進展が組織学的に確認されており(合わせて1.52%)本研究費による新たな対象患者を合わせて追跡する事でHPV感染未発症者の自然史を解明できる期待が高まっている。アンケートの解析は途中だが(回答率75.7%)、HPV感染者の初交年齢は12-25歳(中央値18歳)、非感染者は13-33歳(中央値19歳)で現在のところ初交年齢に関して有意差はなかった。
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Research Products
(1 results)