2007 Fiscal Year Annual Research Report
子宮頸部にneoplasticな病変がないHPV感染者の自然史の解明
Project/Area Number |
16591637
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
佐藤 豊実 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (80344886)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 裕之 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (40158415)
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Keywords | Humam papillomavirus / 自然史 / 細胞診正常 / 子宮がん検診 / 二次検診 |
Research Abstract |
<目的>子宮頸部HPV感染者が前癌状態である子宮頸部異形成となる割合は明らかではない。この自然史と進展の危険因子解明を目的とした。また、アンケートの解析によりHPV感染のリスクを抽出する事を目的とした。他に付随的検討を行う。<対象と方法>文書による同意を得た一般病院受診者を対象に,子宮頸部細胞診とHPV検査を同時に施行した。HPV検査はL1領域のコンセンサスプライマーを用いたPCR法により行った。細胞診で異常所見が無く、HPV陽性の患者を追跡調査の対象症例とした。初回検査時に性行動を含む生活習慣のアンケート調査を行い、6ヶ月ごとに細胞診とHPV検査を行う事とした。アンケートは1年ごとに生活様式、性行動の変化についても追跡する事とした。<成績>(1)2007年12月現在で808名に細胞診とHPV検査を同時に施行し、HPV感染未発症者258例を登録した。このうち進展例は8名(CIN1:3,CIN2:1,CIN3:4)であった。HPVの型は16型、58型、70型が1名ずつ、残りの5名は経過中にtypeの変化が見られた。(2)HPV感染者がCIN2以下からCIN3以上に進展する過程で出現する細胞診上の所見を検討した。感染から比較的早期にはkoilocyteの出現を認め、CIN3に進展する6ヶ月以上前には消失している事が多く、1年以上前に消失している患者が70%を占めていた。(3)HPV感染は過去のsexual partnerが多い群では感染率が高かったが、生涯partnerが一人であっても27.3%の感染率があり、「HPV感染者=sexual activityが高い」は成り立たない事が判明した(対象の年齢の中央値は28歳)。(4)子宮頸部円錐切除後のHPV検査で陰性化が確認(6ヶ月以上の間を空けて2回以上続けて陰性)出来た患者の細胞診異常発生率は有意に低い事が判明した。
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Research Products
(4 results)