2005 Fiscal Year Annual Research Report
変異p53によるIGF-Iレセプター転写制御機構の解析と子宮頚癌における臨床応用
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16591661
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
本郷 淳司 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (10301293)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 圭一郎 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (90359886)
児玉 順一 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (90263582)
平松 祐司 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (80218817)
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Keywords | IGF-Iレセプター / p53 / 転写調節 / 悪性形質転換 / 腫瘍形成能 |
Research Abstract |
1 まずwild typeのp53蛋白が子宮頚癌細胞のIGF-Iレセプター発現に及ぼす影響を検討した。HPVを細胞あたり1〜2コピーしか有さないため、比較的p53蛋白を発現しているSiHa細胞にHPV E6遺伝子を導入したところ、P53蛋白量は減少し、逆にIGF-Iレセプター量は増加した。またHPVを細胞あたり約50コピー有し、そのためほとんどp53蛋白の発現を認めないHeLa S3細胞に、E6の転写を抑制するHPV E2遺伝子を導入したところ、今度はp53蛋白量の増加と、IGF-Iレセプター量の減少を認めた。次に、このIGF-IR発現量がp53による転写レベルでの調節の変動によるものかを検討するために、IGF-IRのレポーター遺伝子を用いて検討した。SiHa細胞にE6を同時に遺伝子導入すると、用量依存性にIGF-IRの転写の亢進を認め、また逆にHeLa S3細胞にE2を導入するとIGF-IRの転写の減弱を認めたため、やはりこのIGF-Iレセプター発現量の変化はp53による転写制御の変化に起因すると考えられた。またこのHPV E6の変化により軟寒天培地でのコロニー形成能、ヌードマウスでの腫瘍形成能が著明に変化していることが確認された。 2 これらのことを踏まえ、次に各種変異型のp53がIGF-Iレセプターの転写に及ぼす影響の検討に移った。Site directed mutagenesisにより、培養細胞株や臨床検体での報告の多い各種のミスセンス点突然変異や、リン酸化されるセリンをフェニルアラニンに変換した変異型p53の各種cDNAを作成した。これらの変異型p53をIGF-IRのレポーターと共にp53 nullであるSaos2細胞、SKOV3細胞に一過性遺伝子導入してIGF-IRの転写活性を検討し、現在、恒久発現クローンを樹立して蛋白レベルの検討し、結果の取りまとめ中である。
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