2004 Fiscal Year Annual Research Report
難治性不妊症である受精障害例の原因解明とその治療法に関する研究
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16591677
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
柳田 薫 国際医療福祉大学, 臨床医学研究センター, 教授 (10182370)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 章太郎 福島県立医科大学, 医学部・産婦人科, 助手 (60372827)
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Keywords | 不妊症 / 受精障害 / hyperactivation / 先体反応 / 体外受精 / 卵細胞質内精子注入法 / 原因不明不妊症 / 卵活性化 |
Research Abstract |
原因不明不妊症は妊娠に至るまでの経過が長く、不妊治療にかかるコスト、妊娠時の女性年齢の高齢化など問題が多い。研究目的は早期に適切な治療法を選択できるために,原因不明不妊の中に含まれる受精障害の実態解明にある。 1.原因不明不妊症に占める受精障害例の割合の調査 不妊症例513組を後方視的に調査した。原因不明不妊症は71組(13.8%)存在し、最終的に体外受精(IVF)を43組(60.6%)が受けていた。IVFで受精障害となったのは23組(32.4%)あった。IVFを行った全症例中(919治療周期),受精障害は13.5%に存在した。原因不明不妊症例には受精障害例が多く存在した。 2.受精障害の原因となる受精機構異常の原因を同定する研究 1)先体反応の異常の検出:精液中hyaluronidase活性をzymogenic assayを用いて評価することとし、不妊治療中の男性の精液について結果を集積中である。 2)精子の超活性化の異常の検出:検者精子の運動性を精液分析装置を用いて評価している。指標として、VSL, VCL, LHA, Lineality,に着目し、AIHの妊娠例、IVFでの受精例に特異的な指標を分析中である。 3)精子・卵融合の異常:夫精子にアクリジンオレンジ染色染色を行い、評価中である。 4)卵活性化の異常:卵細胞質内精子注入法(ICSI)での受精障害を調べると、1,779治療周期中5.6%に発生していた。2回目のICSIでも0%になるのはその13%であった。受精不成立卵をクロマチン染色で調べると67%に卵活性化が認められなかった。 5)紡錘体の異常:体外受精や顕微授精後の受精不成立卵をα-tubuline抗体とFITC標識2次抗体とHoechst33258によって二重染色を行い調べると、5%の卵で紡錘体が欠損していた。このことも受精障害の一因になりうる。
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Research Products
(16 results)