2004 Fiscal Year Annual Research Report
子宮内胎児発育遅延における胎盤増殖因子の関与とその産生に与える因子の研究
Project/Area Number |
16591690
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
山本 樹生 日本大学, 医学部, 教授 (40167721)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早川 智 日本大学, 医学部, 助教授 (30238084)
千島 史尚 日本大学, 医学部, 講師 (50277414)
永石 国司 日本大学, 医学部, 講師 (70297810)
久野 宗一郎 日本大学, 医学部, 助手 (30350002)
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Keywords | PLGF / sFLt-1 / 絨毛 / 妊娠高血圧 |
Research Abstract |
Placenta Growth Factor(PIGF)は胎盤由来の増殖因子である。Soluble Flt-1(sFlt)はPLGFの可溶性receptorであるが流血中に存在しPLGFの作用を調節し、PLGFの作用を抑制するよう作用している。妊娠中毒症の病態解明のために絨毛癌細胞培養系を用いて妊娠中毒症血清のPLGFおよびsFlt-1産生、細胞障害性に対する影響を検討した。[方法]絨毛癌細胞株(Bebo細胞)を24穴プレートで培養しコンフレントの状態で、各血清を10%の濃度で添加し、48時間後の培養上清を採取PLGF,sFlt-1濃度をELISA法にて、絨毛癌細胞の生存率をXTT法にて測定した。正常非妊娠婦人5例、正常妊娠5例、純粋型妊娠中毒症20例より血清を採取し使用した。[成績]培養上清中のPLGF濃度は非妊娠婦人、正常妊娠、妊娠中毒症でそれぞれ290,307,300pg/mlとなり有意な差を認めなかった。しかし、sFlt-1濃度は非妊娠婦人、正常妊娠、妊娠中毒症でそれぞれ620,570,1530pg/mlとなり、妊娠中毒症で有意に高値(p=0,003,p=0.004)を示した。絨毛癌細胞の生存率は非妊娠婦人、正常妊娠、妊娠中毒症でそれぞれ1.62,1.61,1.480Dとなり、妊娠中毒症で有意の低値(p=0.04,p=0.04)を示した。XTT値とsFlt-1値の相関をみるとr=0.47(p=0.01)と細胞障害が強いとsFlt-1値が高値を示すことが判明した。妊娠中毒症血清は絨毛細胞に対する細胞障害性のみならずsFltを増加しPLGFの活性を押さえ絨毛細胞の増殖を阻害する可能性があることが判明した。
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